2025.06.14 upload

SHARE:

カンヌが認めた鈴木唯が魅せた“ふき”の感覚演技──映画『ルノワール』会見レポ

映画『ルノワール』の記者会見が6月10日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で行われた。登壇したのは、早川千絵監督とキャストの鈴木唯、石田ひかり、リリー・フランキー。
今回の記事では鈴木唯をフィーチャーし、カンヌ国際映画祭が選ぶ「注目すべき10人の才能」に選ばれた彼女の魅力に迫る。
主演として言葉を発さない少女“ふき”を演じた鈴木唯は、繊細かつ直感的な表現でその世界を体現。
会見では動物の鳴きまねで場を和ませつつ、演技のアプローチや共演者とのエピソードも披露。
伸びしろしかない存在感を、現場レポとともにお届けします。

 

Q. 今回の映画はメジャー作品で、しかも主演という立場。さらにカンヌ映画祭が選ぶ“注目すべき10人の才能”にも選出されました。いまの率直なお気持ちは?
鈴木唯:
カンヌの10人に選ばれたことは、とても光栄で、すごく嬉しかったです。心に深く残る思い出になったし、この先ももっと俳優をがんばっていきたいな、という気持ちのきっかけにもなりました。

Q. 共演した2人のベテラン俳優の方から、何かアドバイスを受けましたか?
鈴木唯:
石田さんには「何も考えずに、普段どおりにやってみるといいよ」と言われて、それがすごく参考になりました。リリーさんの演技も近くで見ていて、「私もこんな風にやってみたいな」って憧れを感じました。おふたりの演技を体感することで、「もっと上手になりたい」って自然に思えたんです。

 

Q. 今回の主人公“ふき”はかなり複雑なキャラクターだと思いますが、「これは自分に似てる」と感じた部分はありましたか?
鈴木唯:
そうですね。ふきちゃんとは似てるところと、似てないところの両方があります。でも、いちばん「似てるな」と思ったのは、素直なところや、思ったことをそのまま行動に移しちゃうところ。そこは自分と重なる部分だと思いました。

 

Q. “ふき”は動物の鳴き声が得意というユニークな特徴がありますが、鈴木さん自身はどうやってそのスキルを身につけたんですか?
鈴木唯:
あれは、ほんとにたまたまで…。ある日、ふと声を出したら馬みたいな鳴き声が出て、「え?今の何!?」ってなって(笑)。もう一回やってみたら、またできて。そのまま覚えちゃいました。羊の鳴き声も同じような感じで。猫は元々飼っていて、遊んでるうちに真似してたら上手くなっちゃったんですよね。それで、いまに至る…って感じです。

Q. 撮影でいちばん楽しかったシーンと、映画を観て「これはいいシーンだな」と感じた場面があれば教えてください。
鈴木唯:
撮影でいちばん楽しかったのは、林間学校のシーンです。同世代の子たちと一緒にお話したり、キャンプファイヤーや料理の場面もあって、とてもにぎやかで思い出深い時間でした。
映画を観て印象に残ったのは、雪が降る船の上でふきが踊るシーンです。あのシーンは、ポスターにも使われている場面なんですけど、ふきが新しい場所で生き生きと楽しそうにしていて、華やかで目に焼きつきました。とてもいいシーンだったと思います。

 

Q. 映画の前からそのおかっぱヘアだったんですか?
鈴木唯:
はい。小さい頃からおかっぱだったんですけど、撮影に入る前に「もっと短くしてほしい」と言われて、切ったんです。でも、意外とこれが気に入っちゃって、撮影後もしばらくこの髪型でいました。今も基本この髪型が多いですね。

Q. 映画の中での“ふき”はとても落ち着いていて安定感がありますが、ご本人も普段からそうなんですか? それとも演技指導の効果ですか?
鈴木唯:
普段もたぶんこんな感じだと思います。でも、演技してる時は、何も考えてない…っていうと語弊がありますけど(笑)、感情を出しすぎるわけでもなく、無感情でもなくて。ちょうどいい感じで自然にやってました。

 

『RENOIR』ルノワール 6月20日(金)より全国ロードショー

鈴木唯
石田ひかり 中島歩 河合優実 坂東龍汰 / リリー・フランキー
Hana Hope 高梨琴乃 西原亜希 谷川昭一朗 宮下今日子 中村恩恵

脚本・監督:早川千絵

公式サイト https://happinet-phantom.com/renoir/

 

 

 

 

取材 マンボウ北川
文 瞳とーこ

アバター画像

瞳とーこ

抜群のモデルスタイルに憧れるがいつの間にか紹介する方になってしまった悲しき乙女記者

YOUTUBE CHANNEL