2018.07.04 upload

カフカの名作『審判』の実写版で演じた常石梨乃が語るジョン・ウィリアムズ監督の特別な手法が明らかに!

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イギリス出身で来日30年目となる映画監督ジョン・ウィリアムズが、フランツ・カフカの名作『審判』の舞台を現代の東京に移して映画化した作品が渋谷ユーロスペースで公開中。そして出演者のなかより常石梨乃さんに色々とお話を聞くことができたのでご紹介する。

(c) Carl Vanassche
ーーさっそくですが、内容を理解するのが難しい作品ではないですか?
そうですね、私はワークショップ、舞台から演じているので今は理解できていますが最初は理解するのが大変でした。原作は特に読んでもまったく理解できず、何回も何回も読んで理解するのに時間がかかりました。なにかしら自分で答えを出しながら読み進めることでうまく内容が入ってきました。

ーーでは「この映画とは?」というといかがでしょう?
不条理な映画なので答えがないというか、観る方が一人ずつ答えを出していく映画だと思うんです。あとは監督が方向性を変えているので、見終わった時にそれぞれで“こんなだった”とか“あんなだったとか”いろいろ感じて欲しいです。

ーー具体的な点として、急に犯罪者になってしまう怖さ? それとも罪は抱えてるものなのかか、どちらかでしょう?
そんな点も含め、現代社会に置き換えて監督が考えていますが、そんな大事なことを役者に何も言ってくれないんです。答えを聞いても「NO」って言われるんですね(苦笑)。役者への演出は、監督が個々に耳打ちするという形で進みました。普段の生活では、相手が何を思っているのか知らないので、相手の想いは聞かずに、自分の思った演技でぶち当たる感じでした。本当のところ、監督がどう思っているのかはさだかではありませんが。

ーー演じられた「隣人」役はどんなキャラですか?
“夢見るゆめこちゃん”という印象です。ここで監督に耳打ちされた裏設定があって、私(隣人)は「処女である」という絶対明かしてはいけないという役作りがありました。そんな気持ちを抱えて主人公と対峙しました。このような感じで演者それぞれが秘密をもっていて演じているんです。他の人には言わないで演じていました。

ーー隣人役で特に気にしていた点はありますか?
自分的な演技のテーマは“恥じらい”でした。強気に見せてるがその中に“恥ずかしい”とか“照れ”を出したくて、むしろ客観視して演じていました。そしてキスしたときは実はドキドキなんだけど照れてたりして、照れてる表情ってステキじゃないですか! 本作ではイケイケな女性の役が多いんですが、私の役には恥ずかしさを入れています。

ーーお友達役が出てきますが“諜報部員”の役割だったという裏設定を聞きましたが、ご存知でしたか?
知らなかったです!! 友達は演じられていたんですね。

ーーそんな諜報部員と主人公のイケないところを見てしまった設定ですが、見たつもりで演技をしたと?
そうです、自分では観たという気持ちでその後演じました。でもどうせなら見ているところを撮って欲しかった(笑)、葛藤しているシーンとか欲しかったです。

ーー映画を観るうえで気にしてほしいところなどありますか?
原作『審判』の現代社会に通じるものがわかりやすく東京に置き換えられている映画なので、主人公(K)の存在を自分に置き換えて堪能して欲しいです。

ーーありがとうございました

 

出演:にわ つとむ、常石 梨乃、田邉 淳一、工藤 雄作
坂東 彌十郎(特別出演) 、高橋 長英、品川 徹ほか
監督・脚本 ジョン・ウィリアムズ
原作 フランツ・カフカ『審判』

渋谷・ユーロスペースにて公開中ほか全国順次。

公式サイト:http://www.shinpan-film.com/

■STORY
木村陽介。銀行員。30歳の誕生日に、逮捕。罪状不明。
現代の東京。銀行員の木村が30歳の誕生日の朝、自宅マンションのベッドで目覚めると、部屋にはふたりの見知らぬ男たちが佇んでいた。彼らは「逮捕」を告げにきたと言う。でも罪状は不明。無実を主張すればするほど、蜘蛛の巣のような“システム”に絡みとられ、どんどん身動きができなくなっていく。ここから抜け出す方法はあるのか?救いを求めてあがくものの、期待はことごとく外れていく。そして、木村は出口のないこの迷路の終焉に、気づき始めるのだった—。
常石梨乃
公式プロフィール http://www.grueinc.com/talent/rino-tsuneishi/
公式ブログ https://ameblo.jp/rino-hahaha/

 

 

取材・編集 記者J

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