2022.03.13 upload

自然体すぎる演技で若手ADの成長を表現した上原実矩が愛しすぎる理由とは?

Actress

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子役から着実に実力を伸ばし、昨年には「TAMA NEW WAVEコンペティション」でベスト女優賞を受賞した期待の女優・上原実矩が主演する地域発信型映画『この街と私』が絶賛公開中だ。実話を元にしたこの映画。上原演じる若手AD・村田美希が自分の希望ではない番組で悪戦苦闘し新しい自分を見つけ成長していくというストーリーになっていて、自然体な上原の演技が心地よい。そんな上原にインタビューができたのでご紹介する。

ーーまずどういういきさつで出演することになったか教えてください。
監督が私のお芝居を見たいってオーディションに声をかけてくださって。で、決まったのですが、撮影まで時間が少なかったので、本当にトントン拍子でという感じで進んでいきました。

ーーちなみにご出身もお近くだったりするんですか?
違います。東京ではあるんですけど、葛飾とかのほうではないですね。友達が住んでたりしますが。

ーー割と地元に馴染みのある方が出てらっしゃる。
そうですね。それこそLiLiCoさんとか、ですよ。さんとか、大西ライオンさんとかバッドボーイズの大溝清人さんが葛飾にゆかりのある方です。

ーー特に映画の中の撮影で印象に残ってることとか、大変だったことはありますか?
4日間で43分の本作を撮ったので、本当にADさんのように忙しくやってました。疲れてる感じも役に生かせるんだったらいいのかなと思います。

ーー作品を振り返っていかがですか。
撮影から3年経って公開するとなって、台本をバーって見返したんですが、結構台本に色々書き込んでありました。「なんで私がこんな思いをしなきゃいけないんだ」みたいな感じで、ずっとわーって書いてあるんです。ちょっと成長してる自分が今いるなと。周りにも上手く主張できないし、立場もあるしみたいなモヤモヤしてる役なんですけど、それを鬱々と考えてたのをちょっと俯瞰して見られるようにはなったので、自分の成長も感じつつも恥ずかしさもちょっとありつつ、当時よりは“ちゃんと笑ってください”みたいな感じで届けられるようになったかなーと。多分3年前に公開してたらイヤ~みたいな感じだったと思います。今こうやって改めて台本を読んでみたりすると、やっぱり悪い人が出てこない…美希ちゃん自身は劇中で厳しいこと言ってくるのが辛いみたいに思ってたと思いますが、厳しさでも愛情がある厳しさというか…。「疲れてるのにいろんな事言ってくんな」みたいなふうに思ってた上司や彼氏は、時間が経って引いた目線で見てみると愛情だったりで、本人が知らぬうちに劇中で成長してるんですよね。分かりやすいヒーローとか出てこないんですけど、何か日常を劇的に変えてくれるようなこととか、その答えを見つけていく為のアドバイスはいろんな人が劇中でくれているんです。劇的に変わる瞬間っていうよりもいろんな人の言葉からヒントを得て成長していくというか、自分を見つめ直していくっていうのは結構よくあることだと思うので、いろんな人に支えられているんだなってことが改めて見つめ直せる作品になってるんじゃないかなと思っています。

ーー上原さんのキャラの見どころと全体の見どころをお伺いたかったんですけど、今のが全体の見どころな感じですね。
全体はそうなんですが、キャラのみどころが見つからないんです。

ーーどういうことですか?
何かすごい突出した部分とかもないので、当時、美希ちゃんっていう女のコがつかめてなくて。そのときは自分も撮影に入る前で不安だから感覚を掴みたくて監督に質問してたんですけど、監督はそれを掴んで欲しくなかったみたいで、今思えば、それはそれでいいのかなと思ってますね。そういうどこにでもいる感じが。

ーー特に、ですよ。さんとやりとりしてるところ。すげーリアルだなと思って。
それよく言われるんですけど、全然覚えてなくて…。

ーーいや、それも本当にそういう設定であってる感がすごくて。それはどういう意味なんだろうと思って。
ですよ。さんはアドリブだったような気がします。監督から「会ってやり取りしてみてください」みたいな感じで。でも、あんなふうになるじゃないですか(笑)。監督が生っぽいものを目指したいっていうのがあったので、台詞で固めてるところとかもあるんですけど、ちょいちょいアドリブだったりもある感じで、緩急が楽しくて。

ーー最後に今後の野望的な事についてちょっと聞きたいんですけど、どうですか?
野望か、野望…、なんだろう。いや、なんか恥ずかしいんで、こう色々と。野望、そうですね。海外の映画祭にも行ってみたいですね。ずっと十代の頃はお芝居をやってたんですけど、そういうところにあんまりフォーカスを当てたことがなくて、結構ふわっとしていたんです。同じマネージメントチームの映画監督をやっている方が日本アカデミー賞を受賞したのは、今まですごく夢の中にあったものがリアルに感じ取れた瞬間だったんですよ。今まで、行きたいねってふわーってなってたものが、自分の手が届くところにリアルに存在するって思った時に賞レースも目指してみたくなりました。なんか見てみたいというか、以前に東京国際映画祭のレッドカーペットを他の作品で歩かせてもらったときも、やっぱり楽しかったんですよね。まあ、その感覚がすごくあって、ある女優さんがカンヌに行かれたときの話を現場でしてくださって、そのお話がすごくキラキラしていて、私もそれを見てみたいじゃないですけど、自分の作品がそうやっていろんな人に見られているのを見てみたいってすごく思ったんです。去年、個人的に初めて女優賞を頂いたので、今度は日本国内色んな映画祭にも行ってみたいですし、海外の三大映画祭は一度生で見てみたいというか、体感したいというのはあります。

ーーはい、そういうことを含めて女優としてやっていくと。
願わくば、評価もしていただきたいですね。

ーー頑張りどころですね?
目標があるから続けられるんだろうなと思ってます!

ーーありがとうございました。

■あらすじ
ADをしている23歳の村田美希(上原実矩)は、お笑いの番組が作りたくて制作会社に入ったが、深夜に街の良さを紹介する関東のローカル番組『この街と私』の担当として休みなく働いている。彼氏の翔也(佐野弘樹)と同棲している部屋には寝に帰っている状況で、彼氏の話もろくに聞けていない。ある日、お笑いの特番に企画を出したものの、一蹴されてしまった美希だが、『この街と私』の街頭インタビューを初めて一人で任せられる。撮ってきた素材を見たディレクターに、「使えない」と言われた美希は…

 

■公開情報
キャスト:
上原実矩
佐野弘樹 宮田佳典 伊藤慶徳
LiLiCo 川原克己(天竺鼠) ですよ。大西ライオン 大溝清人(バッドボーイズ)

監督・脚本・編集 永井和男

制作よしもとクリエイティブ・エージェンシー
配給アルミード
2019年/日本/カラー/16:9/43分 (C)地域発信型映画「この街と私」製作委員会

公式サイト:http://konomachitowatashi.com/
Twitter:https://twitter.com/thiscityandme
Facebook:https://www.facebook.com/thiscityandme

アップリンク吉祥寺ほかにて公開中。全国順次公開

◎3/13(日)18:40~ 上映後トークイベント開催!
登壇者:上原実矩(本作出演) 、磯部鉄平(映画監督・本作助監督)、 永井和男 監督
トーク後パンフ購入者向けサイン会あり‼

 

☆上原実矩(MikuUehara)
1998年11月4日生まれ。東京都出身。俳優・モデル。映画『君に届け』(10)で俳優デビュー。独特な個性から、『暗殺教室』(15/羽住英一郎監督)、『来る』(18/中島哲也監督)や『青葉家のテーブル』(21/松本壮史監督)など多数の映画やドラマ、大手企業広告に出演。主演を務めた『ミューズは溺れない』(21/淺雄望監督)では、第22回TAMANEWWAVEコンペティションでベスト女優賞を受賞。
・公式プロフィール https://hirata-office.jp/talent_profile/woman/miku_uehara.html
・Instagram https://www.instagram.com/miku_uehara/

 

 

 

 

 

取材 マンボウ北川
撮影・編集 記者J

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