2023.09.27 upload

台本にないセリフがつい出てしまった遠藤久美子出演映画『こん、こん。』公開間近!!

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ショートカット美少女として一世を風靡した“エンクミ”こと遠藤久美子が、夫、横尾初喜監督の長崎オールロケシリーズ第二弾、映画『こん、こん。』に主人公・宇海(塩田みう)の母親役として出演し、このほど公開される。横尾監督自身の映画としては初のラブストーリーに挑戦した本作では、若い男女が淡い恋に翻弄されるという切ない物語となっている。そんな本作の裏話を遠藤に伺うことができたので紹介する。

ーー今回の映画がなぜこのタイトルなのか、ご存知ですか?
はい。この映画、最初は『縄文人がやってくる』というタイトルだったんです。台本も『縄文人がやってくる』っていうタイトルだったんですけど、撮り進めていくうちに「タイトルが違うんじゃないか?」って思い考えていたんです。そんな時、「でんでらりゅうば(が) でてくるばってん でんでられんけん でーてこんけん こんこられんけん こられられんけん こーんこん♪」という長崎のわらべうた・手遊び歌があって、幼少期に義母さんが横尾監督(夫)に歌ったこともあるぐらい長崎の子供たちには浸透しているそうなのですけど、その歌の最後が「こーんこん」って終わるんですよ。“こんこんよかね=来ない来ない」っていう意味なんです。宇海(塩田みう)が亡くなった地。最初そこには賢星(遠藤健慎)は来なかった。そして、宇海が亡くなって、賢星がそこに行った時には、今度は宇海が来なかった。“来ん来ん=来ない来ない=こんこんよかね”ってなったんです。それで『こん、こん。』にしたんです。

ーー聞いてみないとわからないものですね。
スッと入ってくるタイトルだと、聞かなくても「あ、こういうタイトルなんだ」ってわかると思うんですけど、ちょっと聞きたくなるようなタイトルですよね。

ーー狐はいつ出てくるのかなと。
狐の「コンコン」じゃないんです(笑)。「来ない来ない」の方です!。

ーーその歌は映画の中では使われているんですか?
全く使われていないですが、長崎の人からしたら馴染みのある歌なんです。この映画は長崎を中心としたプロジェクトのひとつなので、長崎の方たちにもたくさん参加してもらっていて、「初めてお芝居をします」という方もたくさん出演してくれています。“長崎発”というような意味合いもあって『こん、こん。』というタイトルになってます。

ーー聞いてよかったです。では、今回の映画に出演された経緯を教えて下さい。
プロットの段階では全く私が出演するとはなっていなかったんですけれど、横尾監督と「お父さん役、お母さん役をどうしようか」ってなった時に「空いてるよ」と(笑)。横尾監督は作品と役を大事にして、その役に合う人をキャスティングするんです。知っている方で配役していくんじゃなくて、役に誰をハメたいかっていうのが先行するので、「何歳ぐらいの設定かな? 私空いてるよ」って一応言っとこうと思いまして(笑)。そしたらお母さんの役にハメてもらい、意外と話が通ったのでよかったなという感じです(苦笑)。

ーー遠藤さんは割と監督さんの作品には出てらっしゃいますよね。
出てるんです。プロットがあって台本になって、キャスティングの段階で「空いてるよー」って横尾監督にいつも言うんです(笑)。もちろんダメな場合もあります。「これは違う」ってキャスティングされないこともたくさんあるんですけれども、一応声がけはするようにしてます(笑)。

ーー途中で「あれ? これはどういうことだ?」ってなることが多いのは意図的なんでしょうか?
横尾監督は、状況がとても細かく説明されている作品よりは、自分自身で咀嚼をして入り込んでいくような作品の方が好きみたいです。「最初に説明を多くしてしまうと自分で考えなくなるんじゃないか」と。『こん、こん。』だけじゃなくて、今までの作品でも「あれっ?」ってなるように意図して作っているところがありますね。

ーーけっこうそういうところに振り回されます(笑)。映画の見どころでもありますね。
ちゃんと観て頂いてありがとうございます(笑)。この作品で一番言いたかったことは“気づいたときにはもう”っていうところと、“自分の生きてきた中でどれだけ共感する部分があるか”というところですね。この作品も賛否があって、共感できない人とすごく共感できる人といるみたいですが、共感してくれた友達は隣で号泣していました(笑)。私も宇海ちゃんが誰にでもいい顔をして優しくできちゃうところが意外と共感できなかったんですけど…。でも「それぞれの捉え方でいい」っていつも横尾監督は言っています。「それが映画なんだな」って。

ーー出来上がりを見た感想はいかがですか?
二人の淡い恋愛の話と思いながらも、それだけじゃない。人と人が好きになって上手くいく上手くいかないっていうシンプルな構図だけじゃない気がするというか、答えが明確に提示されていないからこそ観る側は考えちゃうというか… ふわっと表現するのが横尾監督も好きみたいですね。あと、この映画自体が長崎をテーマに進めたいプロジェクトで、以前公開した映画『こはく』(19)が第一弾、今回が第二弾、そして第三弾は企画中。長崎を舞台に映画を作って盛り上げていきたいという思いで、今の長崎やそこで生きている市民の方をフィルムに残しているので、映画のストーリーだけじゃなくその他の部分も楽しんでもらえたらと思っているので、プロジェクト自体も興味を持ってもらえたら嬉しいです。

ーー遠藤さんの役の見どころを教えて下さい。
撮影期間に家族を連れて長崎に行かせて頂いて、コロナの関係で2か月も滞在していました。その中で感じた長崎の人たちの温かさを表現したいなと思いました。最初、賢星君に対して母親目線で「好きなコはちゃんと捕まえておきなさいよ」って突っ込みを入れながら台本を読んでいたんですけど、実際に現場に入って賢星君の演技を見て気持ちが溢れ出てしまって、最後のシーンで自然と台本にない「ありがとう」というセリフがぽろっと出てしまったくらいでした。キャラクターを通じて長崎の人たちの温かさを感じて頂けたらと思います。そこが見どころかなー。

ーーセリフになかった「ありがとう」は映画で使われているんですか?
声が小さいんですけど最後の最後に使われています。撮影の時、ちょっと前まで天候も悪かったのがだんだんと光が差してきて映画の神様が下りてきた感じで! これが映画の面白さなんだなって痛感しました。

ーーありがとうございました。

 

 

あらすじ
何事も「フツー」な毎日を送る大学生・堀内賢星。ある日突然、同級生の七瀬宇海と衝撃的な出会いを果たす。「好き」がたくさんある宇海との会話はどこか噛み合わず、自分と真逆な彼女に戸惑うも、不思議な魅力に惹かれていく。

謎の踊りと染め物のTシャツ。苦手な激辛カレー。興味のなかったカメラ。部屋に飾られた大小の手形。空港が見える秘密の裏山。

賢星は、宇海と来るはずだった海岸を見つめ、「特別」な毎日を思い返す。愛に溢れた彼女の抱えるものとはなんだったのか?

豪快な宇海と、合理的な賢星。クスッと笑えて、すれ違いに切なくなる。長崎を舞台に描く、対極的なふたりの「恋」の物語。

 

☆映画『こん、こん。』
2023年9月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー

■出演:遠藤健慎 塩田みう
大橋彰(アキラ 100%) 森あゆ 中山晴華
龍真 松田天星 橋本和太琉 田川隼嗣 立川公彦
栄信 遠藤久美子
■監督:横尾初喜
■脚本:藤井香織
■音楽:上田壮一
■プロデュ-サー:髙田大、片平梓、溝口貴史、原ちなみ
■撮影:松平康平
■製作・配給:BLUE.MOUNTAIN
■製作協力:長崎国際テレビ
2023年 / カラー / ステレオ /上映時間 98分
©2023 BLUE.MOUNTAIN
公式HP https://bluemountainnagasaki.com/konkon/

 

 

☆遠藤久美子

公式プロフィール https://www.toho-ent.co.jp/actor/1044

 

 

インタビュー マンボウ北川
撮影・文 記者J

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