2023.02.13 upload
大人なラブストーリーで魅せる!穂志もえかの快演にシビれまくり!!
アメリカテレビシリーズ『SHOGUN』への出演など、話題沸騰中の女優・穂志もえかがヒロインで出演する映画『生きててごめんなさい』が公開中だ。本作は『余命10年』の藤井道人がプロデューサー、ドラマ『アバランチ』の山口健人が監督を務め、ある一つの恋愛の形を描いている。そんな中で穂志はどんな感情で役を務めあげたのだろうか? インタビューができたので紹介したい。
ーーこの役はどのようにして決まったんですか?
オーディションです。事前に、全編の台本を頂き、オーディションではその中のワンシーンをお芝居しました。オーディションに受かったと聞いた時は嬉しかったです。私はあまり分かりやすい特徴を持ってないし、流行りの風貌でもない中で“穂志もえか”で勝負しようと思ってくださったのはとっても嬉しかったです。
ーーご自分的にはオーディション段階で手応えがあった感じとかは?
手応えはなかったです。
ーー逆に山口監督からは選んだポイントみたいなのを聞いてらっしゃる?
私は覚えていないんですけど、部屋の入り方が決め手だったみたいです。格好も、リアルなルームウェアを着て、髪もあえてボサボサのまま行きました。
ーー扉の入り方は意識して入ったわけではない?
全く覚えていないです。
ーー莉奈は基本的にはドジな女のコっていう感じで理解していいんですか?
言語化するのが難しいんですけど、みんなで同じことをやってるのに、自分だけおかしなことになったり、普通にしているのに自分だけ浮いてしまったり、そういう言葉で言い表せないような理不尽なことが多いのかなと思っています。それを白い目で見ないでほしいなっていうのがありますね。監督も“こういう女の子がいていいじゃないか”っていうのを莉奈の存在意義として掲げていたし、私自身も似たようなしんどかった経験があるからこそ、そこに至るまでにどんなことがあったのかと観客の皆さんにも寄り添って頂けたら嬉しいなと思います。見えている部分だけで判断せずに、描かれていない部分を想像しながら観てくださると嬉しいです。
ーー意外と実はみんな共感できる部分があるのかなと。
出来上がった作品を見たとき、「莉奈が、半分以上の人に嫌われちゃうかもしれない」って思ったんです。ペットショップのシーンで、オーナーの二人は「しょうがない、私たちだってしたくない」って言っているのに、莉奈は自分の感情をぶつけているので、観た方に嫌われてしまうかもと思い、ちょっと怖くなりました。演じているときは私が莉奈の一番の味方だったし、ずっと監督も莉奈は感情を発散するという演出で進めていたから、撮影中は気づかなかったけど、観客の皆さんは、莉奈に置いてけぼりにされちゃうかもしれないと思いました。でも監督が見せたかったのはこういう莉奈みたいな存在。修一と莉奈のような共依存や、自分を肯定するために相手を否定することって、恋愛関係でよくあることだと思うので、「こういうケンカしたことある」って共感してくださる方もいるのかな。
ーー実際の撮影の中で特に印象に残っていることとか特に頑張ったなとかありますか?
喧嘩をしてトイレに閉じこもるシーンの撮影の時に、気持ちを切らしたくなかったのと、役が抜けなかったのと両方あり、カットがかかっても次にカメラが回るまで黒羽さんにずっと抱きついていたことがありました。“本当は喧嘩したくなかった”“本当は好き”みたいなつらい気持ちを込めながら黒羽さんに抱きついていたことで、黒羽さんからもエネルギーをもらうことができました。黒羽さんならそういうことを受け入れてくれると思ったし、その後のシーンでは二人の感情がさらに乗ったような気がしていて。あと、「ごめんね、本当はあんなこと思ってないよ」って言われるシーンは、自分でも予想していなかった感情の動きがあって面白かったです。
ーー海に行った時に転ぶシーン。何回もできないようなシーンだと思うんですが?
一発OKだったような、ちょっと記憶があいまいなんですが、思い切ってやろうという話になって。思い切りすぎちゃったって感じですね。
ーーそれを観てこういうキャラクターなんだって理解をしてしまいました。
なぜそういう失敗をしてしまうんだっていうことがよく起こるキャラクターですよね。
ーー改めて役柄的な見どころと映画全体のポイントみたいなのを頂けますか。
莉奈自身に関しては、実は最初から最後までそんなに大きく変えた事ってないんです。修一との世界しか知らなかった莉奈ですが、環境が変わって世界が広がっただけで、莉奈自身は変わっていないんです。莉奈のように、環境によって認められ大切にされる人達っていっぱい居ると思うんです。描かれていない部分も、想像力を持って観て頂けたらさらに面白いと思います。
ーーとにかく泣くシーンが結構多かったんですけど、それってやっぱりそれぞれ泣いている理由は違って演じ分けしている?
プランを立てて演じ分けるということはなかったです。一回目の喧嘩と二回目三回目の喧嘩と、映画の中だけでも積み重なっているものが違うから、おのずと違う感情が生まれてきました。いろいろ虐げられてきた歴史が、自分の中にどんどん積み重なっていったので、自然と泣くことができました。
ーー今後の野望とかそういうのもあれば教えて下さい。
ご一緒してみたい監督がいっぱい居るので、是非ご縁があるようにと願いつつ、自分の技術面を磨いていきたいです。私は舞台の経験がないので、舞台にも挑戦してみたいです。『SHOGUN』を経て、お芝居は国を越えて伝わると確信したので、また海外作品にも積極的にチャレンジしたいです!
ーーありがとうございました。
あらすじ
出版社の編集部で働く園田修一(黒羽麻璃央)は清川莉奈(穂志もえか)と出逢い、同棲生活をしている。
修一は小説家になるという夢を抱いていたが、日々の仕事に追われ、諦めかけていた。莉奈は何をやっても上手くいかず、いくつもアルバイトをクビになり、家で独り過ごすことが多かった。
ある日、修一は高校の先輩で大手出版社の編集者・相澤今日子(松井玲奈)と再会し、相澤の務める出版社の新人賞にエントリーすることになる。
一方、自身の出版社でも売れっ子コメンテーター西川洋一(安井順平)を担当することになるが、西川の編集担当に原稿をすべて書かせるやり方に戸惑う。修一は全く小説の執筆に時間がさけなくなり焦り始める。
そんな中、莉奈はふとしたきっかけで西川の目に止まり、修一と共に出版社で働く事となる。西川も出版社の皆も莉奈をちやほやする光景に修一は嫉妬心が沸々と湧き、莉奈に対して態度が冷たくなっていく。いつしか、喧嘩が絶えなくなり―。
黒羽麻璃央 穂志もえか
松井玲奈 安井順平 冨手麻妙 安藤聖 春海四方 山崎潤 長村航希 八木アリサ 飯島寛騎
監督 山口健人 企画・プロデュース 藤井道人
エグゼクティブプロデューサー 鈴木祐介 プロデューサー 河野博明 雨無麻友子
脚本 山口健人 山科亜於良 撮影 石塚将巳 照明 水瀬貴寛 録音 岡本立洋 美術監督 相馬直樹
美術 中島明日香 小道具 福田弥生 助監督:渡邉裕也 キャスティングプロデューサー:高柳亮博
制作プロダクション:スタジオねこ 配給 渋谷プロダクション
製作 「イキゴメ」製作委員会 JAPAN/DCP/アメリカンビスタ/5.1ch/107min
公式サイト:https://ikigome.com/
公式Twitter:https://twitter.com/ikigome_movie
公式Facebook:https://www.facebook.com/ikigome
シネ・リーブル池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開中
☆穂志もえか
1995年8月23日生まれ。千葉県出身。上智大文学部卒。特技はバレエ、コンテンポラリーダンス。 2017年に女優デビューし、2018年の映画『少女邂逅』(枝優花監督)で初主演。昨年は映画「窓辺にて」(今泉力哉監督)に出演。2021年は映画「花束みたいな恋をした」(土井裕泰監督)や「街の上で」(今泉力哉監督)でヒロインを好演。ドラマでは「大豆田とわ子と三人の元夫」主人公・大豆田とわ子(松たか子)の勤める住宅建設会社経理部員・羽根子や「グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ」主人公あかね(松本穂香)の友人・ちこなどキャラクターの強い役を演じた。現在、TBS系金曜ドラマ「100万回言えばよかった」に出演中、主要キャストの一人として真田広之も参加しているアメリカテレビシリーズ「SHOGUN」の放送も控える。
Twitter https://twitter.com/moehamegenai
Instagram https://www.instagram.com/moekappa823/
ヘアメイク:川又由紀(HAPP’S)
スタイリスト:前田勇弥
衣装:ブラウス(¥18,150)、パンツ(¥18,920)
グラムトーキョー(LAYMEE) 03-3746-9950
インタビュー マンボウ北川
撮影・文 記者J