2020.10.27 upload

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青春スプラッター映画『ファンファーレが鳴り響く』で過激に人を殺しちゃう祷キララにずばりインタビュー

 

映画・ドラマ・舞台で活躍し、2020年にはドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』( ytv )に前川雪乃役でレギュラー出演した女優・祷キララがヒロイン役で出演している映画『ファンファーレが鳴り響く』が絶賛公開中だ。笠松将演じる主人公・明彦を引き連れ、過激な殺人を繰り返す祷キララ演じる光莉の姿はスプラッターのイメージが先行するが、そこに秘められた主人公たちの思いが青春を象徴するロードムービーのようなイメージに仕上がっている。そんな過激な役を演じた祷にインタビューができたのでご紹介する。

ーーこの役が決まった経緯は?
森田監督からオファーを頂きました。元々私のことを知って下さっていて、監督の中で脚本を書いている時からイメージがあったらしくて、「この役は祷さんにお願いしたいです」って言って下さいました。私も脚本と企画書を読んで、シンプルにやりたいなと思って受けさせて頂きました。

ーー監督はどういう形で祷さんを知ったんですか?前の作品とかですか?
そうです、すごく昔なんですけど私が小学6年生の時に初めて主演をした『Dressing Up』という映画を監督が観て下さっていて、その時のイメージがすごく強烈だったらしく、その時のイメージを脚本を書くときに思いついたと仰っていました。

ーー撮影の時の印象は?
人を殺すって簡単ではないです。自分も殺される危険もあるし、相手も心のある人間だから抵抗される。アクションのシーンが意外とたくさんあって身体的にもあざだらけになったりして、そういう大変さもあったりしたんですけど、ずっと終始何かと闘っているような役だったので、心から笑うシーンも少ないですし、撮影期間はずっと怒りとか悲しみとか役の感情をずっと持っている感じでした。本番じゃない時もそこからは離れられなくって、ずっと自分の中で普段よりも悶々としているみたいな部分もありました。意図的にという部分もあるし現場に入ってからっていう部分もあります。特に印象に残っているシーンはありすぎて選ぶのが難しいです。

ーートータルで見て印象に残った部分はどちらでしょうか?
主演の笠松さんとはシーンが多かったんですけど、いい距離感で現場にずっと居て下さって、趣味とか好きなことの話とか似ている部分があって盛り上がったりしましたが、あまり仲良くなりすぎないというか、休憩時間になっても雰囲気を崩さないように適度に距離を取って、その距離感のまま現場にずっといて下さいました。オールアップの日に、笠松さん演じる明彦と私演じる光莉がレイプ未遂犯人を殺した場所から二人でかばんを持ってとぼとぼ歩いていく背中を遠くから撮るカットを一番最後に撮ったんですけど、全然カットがかからなくてずーっと歩いていて、めっちゃ遠くから「OK。カット。」って聞こえてきました。OKってことはオールアップだと思ったのですが、だからといってイエーイっていう感じでもなく、二人で何も喋らずカメラの方に戻っていました。その時に笠松さんがぼそっと「この映画面白いかもね」って言ったんです。笠松さんってすごく正直な人で思ったことを何でも言ってくれる方だったから、ポジティブなこともネガティブなことも、彼なりの筋を通して伝えてくれる方で、お世辞とかもあんまり言わないし、持ち上げるとかもしない人ってわかっていたから、聞こえるか聞こえないかくらいな声でオールアップした時にスタッフさんのいる方に戻りながらそうやって「この映画面白いかも」って彼が言ってくれたことが私はすごく嬉しかったです。ずっと一緒にやってきたパートナーみたいな存在でもあったので、今でも印象に残っています。

ーーレイプされそうになってから殺すシーンは一番アクション的のような…
確かにレイプされそうになってから殺すシーンが一番激しかったですね。ほかのシーンは自分に有利な時に殺していたり、選んで殺していたので、イレギュラーなところだったと思います。

ーー役の見所は?
スプラッター映画とうたわれているし、私が演じた役がやることは犯罪だし、過激で一般的には受け入れられないような行動をしていると思うんですけど、私はあまり異常な人だと思っていません。十数年って短いかもしれないけど生きてきた、人生で経験してきたこととか、感じてきたこととか考えてきたことの中で、めいっぱい色んなことを考えたうえで、自分で納得して覚悟して色んな行動とか発言とか選んでいっている人間だなって、脚本を読んだ上でも考えていく上でも思いました。光莉の行動の部分に「サイコパス」とか名前を付けちゃったら簡単なんですけど、光莉も一人の高校生でけっこう普通の女のコの部分とか、学生の部分とか本当はあると思っています。そういう部分がわかりやすくシーンで描かれているわけではないんですけど、光莉の人間の部分、等身大の部分が表れているところがあるなと、監督とか笠松さんとかと作品を見た後に話していて、そこを作品ができた時に見つけられたのがすごく嬉しかったです。光莉の一人の人間としての部分を探して見て頂けたら嬉しいなと思います。

ーーいじめられている明彦に対して光莉はどういう感じ?
光莉は自分の中で成し遂げたいものがすごく大きい女の子です。学校で明彦以外としゃべっているシーンがないですが、シーンがないからといって他でしゃべっているわけではないとは思います。部活をしたり買い食いをしたり友達と恋バナをしたりすることに興味がないというかそこに向かう余裕がなくて、明彦がいじめられているのも気づいていたけど意外と何も感じていなかったのかなと。浮いているというかクラスメイトに溶け込むようなキャラクターでもなかったのかなと思ったりもします。

ーーご自身の中で一番思い出深い殺人シーンは?
殺人のシーンの中では派手ではないんですけど、自分が本番のことを覚えてて、恍惚としたというか、気持ちいいみたいになったのは、同級生を橋の下で殺すシーン。初めて人を殺すシーンだったからっていうのもあるんですけど、本番で全然カットがかからなくて、えぐるようにずっと何回もナイフを抜いて刺して抜いて刺してを繰り返しました。刺し方も変えてみたりとか、抜いたナイフを見てみたりとかやっていてすごく気持ちよかったなと思います。

ーー映画全体の見所は?
ビジュアルとかうたい文句はスプラッターですが、殺しの部分とかを見せたい映画じゃないと思います。光莉や明彦はどっちもいい状況じゃない中で明日も来るし、一言で片づけられないような感情が毎日渦巻いていて、そのなかで二人が出会ってしまって新しい関係が生まれて、人間の内の部分を描いている映画だと思っています。そういう風な話をしてつくった映画なので、スプラッター映画に興味がない方にも、人物描写というか人間の部分を観てもらいたいなと思います。

ーーありがとうございました。


あらすじ
高校生の明彦(笠松将)は、鬱屈した日々を過ごしている。持病の吃音症が原因でクラスメイトからイジメられ、家族にその悩みを打ち明けられないどころか、厳格な父親(川瀬陽太)からは厳しく叱咤され、母親(黒沢あすか)からは憐れんで過度な心配をされ、脳内で空想の神を殺しなんとか自身を保っている状態だ。

そんなある日、明彦はクラスメイトの才色兼備な女子生徒・光莉(祷キララ)が野良猫を殺している現場に偶然居合わせてしまう。光莉は、生理の時に見た自分の血に興味を駆られ、他者の血を見たい欲求を持っていた。光莉は「イジメてくる奴らを殺したいと思わない?」と明彦に問いかける。その日から明彦の中で、何かが変わったのだった。

明彦は、自身が学校でイジメられていることをホームルーム中に訴える。そのせいで明彦はさらにイジメグループから追い回されることになり、街中逃げ回るが、ついに追いつめられる。しかしそこで、光莉がまた野良猫を殺していた。そしてそのナイフで、光莉はなんと明彦をイジメている同級生を殺してしまう…。二人はその現実から逃げるように都会へと向かう。その最中に出会う、汚い大人たちをさらに殺していき、二人の血に塗れた逃亡劇は確実に悲劇に向かっていくのだった…。

 

『ファンファーレが鳴り響く』 新宿K’s cinemaほか全国順次公開中
出演者
笠松将、祷キララ、黒沢あすか、川瀬陽太、日高七海、上西雄大、大西信満、木下ほうか、他
スタッフ
監督・脚本:森田和樹
製作:塩月隆史、人見剛史、小林未生和、森田和樹
プロデューサー:小林良二、鈴木祐介、角田陸、塩月隆史
撮影:吉沢和晃 録音:西山秀明 助監督:森山茂雄 特殊造形:土肥良成
主題歌:「美しい人生」sachi.
制作・配給・宣伝:渋谷プロダクション
製作:「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会
(C)「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会

 

 

ヘアメイク:TOM

服(全て):soduk
靴:UNTISHOLD
アクセサリー:Fauvirame

 

祷キララ
公式プロフィール http://sticker-inc.com/talent/kirara_inori.php
Twitter https://twitter.com/kilalainori
Instagram https://www.instagram.com/inori.kilala/

 

 

 

取材 マンボウ北川
編集・撮影 記者J

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記者J

地球上すべての美しい女性を求め東奔西走。究極のヲタを目指す傍らで記事を更新なうwww

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