2021.11.29 upload

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主人公に寄り添って演技をした樫本琳花、期待の初主演映画『アリスの住人』4日公開!

「ミスセブンティーン2014」で元Seventeen専属モデルの樫本琳花が淡梨とW主演をはたした映画『アリスの住人』が12月4日公開となる。ファミリーホームで暮らす少女たち様子を描いた今作。初主演となった樫本の演技が輝る本編は見所満載だ。そんな樫本にインタビューができたのでご紹介する。

ーーこの映画の出演が決まったいきさつは?
2年前くらいにワークショップオーディションに応募して受けたのがきっかけです。全部で4回ワークショップがあったんですけど、その時に「まだ誰も見つけていない良い部分が樫本さんにはあると思う」って言ってくれて、半年くらい経って声をかけて頂きました。この映画のキャストを見つけるという前提のワークショップでした。

ーーそれより以前は演技の経験は?
映画はこの作品が初めてで、ドラマもほぼないです。セリフがなくて5秒くらい映った程のものしかなくて、お芝居の映像はほぼゼロなくらいで、急にこれが決まりました。

ーーセブンティーンのモデルがメイン?
そうです。中学2年生の頃から高校2年生までモデルをやっていて、その時に所属していた事務所で主催している小さい舞台みたいなのはやったことがあったんですけど、本格的にはやっていなくて、高校3年生の時に一回芸能を辞めたんです。就職をしようと思って辞めたんですけど、色々縁があって声をかけて頂いてもう一回始めることになって、女優業を頑張りたいなと思って再開したので、ワークショップを探していて、その時に見つけて応募したのがこのワークショップでした。

ーー演技を目指そうと思ったきっかけはあったんですか?
セブンティーンに入ったときに、最初は全然女優をやりたいというわけじゃなく始めたんですけど、先輩がやっているのを見たら自分も自然とその道を歩むんだろうなって、軽く思っていたんですけど、思った以上にぽんぽんうまくいかず結局辞めることにしたんですけど、辞めた時にまだやれることがたくさんあったなと思って、もう一度やりたいなと思ったのがきっかけですね。一回離れたことで挑戦したほうがよかったなと思いました。

ーー髪がだいぶ伸びましたね。映画の時は役作りで短かったんですか?
この時はちょうど短かったっていう感じです。髪の毛を長くする案もあったんですけど、つぐみの人間像を監督と話して周りの人とのバランスもあり、この短さがいい意味で映えてくれるんじゃないかっていうことで、短いままっていう感じですね。

ーーセブンティーン時代の髪の長さは?
けっこう短いことが多かったですね。入ったときは今くらいだったんですけど、割とすぐにヘアカット企画みたいなのでばっさりショートやボブにすることが多くて、ショート担当みたいな感じで。

ーー映画に入っての印象は?
ちゃんと映像のお仕事をするのが初めてだったので、私自身がすっごく自信がなくて、周りの方とかは経験を積んでいる方もいますし、私が主演で大丈夫なのかなっていう不安はすごくあったんですけど、つぐみ自身が自信満々に生きている人間じゃないので、いい意味で私の状況をいかせたらいいなと思って周りを頼ろうと思って撮影していました。その分ファミリーホームの中では心を許せる状態に関係性を自然と作っていけたのでそれが空気感として出てるんじゃないかなって思います。

ーー撮影はいつだったんですか?
ちょうど一年前くらいですかね。2020年の10月、11月に撮りまして、ZOOMで何回か本読みをやっていて、ニュアンスとかアドバイスはしてもらっていたんですけど、基本的には私が最初にぽんと出したものをいかしてくれて、そこから「ここだけこうしてみようか」とか、っていう感じだったので、私の思うつぐみを尊重してくれたという感じで。あと監督がある程度役を決めてから脚本を書いたのかな、まだ書けていない状態でワークショップをしたので、たぶん私を想像しながら書いたっていうのもあって、けっこう私が出す空気感をうまく使ってくれたのかなって思っています。

ーー撮影で大変だったことはありますか?
私の人生とは全く違う人生を歩んできた役だったので…。私自身は割と家族にも恵まれているし、全く違う人を演じてなりきるっていうのは難しいなって思ったので、私はつぐみに寄り添えるようにしようって思っていました。感情が荒ぶるシーンだったりとか悲観的になっている瞬間のつぐみを演じるのは、かなり大変でした。なりきれるものでもないなって思っていて、感情が荒ぶるシーンもしゅはまはるみさんが同じシーンに一緒にいてくれたりとか、頼りっぱなしでやっていましたね。

ーー出来上がった作品を見て感想はいかがでしたか?
初めて自分が“芝居をする”のを映画で見たっていうのもあって、本当にそわそわしちゃって。ここってこんな風に見えるんだとか、客観的に見たのが初めてだったので気になるところはめちゃくちゃあったし、何回でもやり直せるならやり直したいところはいっぱいありましたけど、そんな中でもキャスト陣の空気感とか、ファミリーホームではこの空気感ができるけど、賢治(淡梨)といるときはまた違う空気感があったりとか、人が関わることによってできる空気感がすごく面白いなあと思って見ていました。

ーー自分の役の見どころと、映画全体の見どころ
役の見どころは、つぐみって“普通”になりたい女のコなんですよ、“普通”を探し求めているがゆえに色々道を外してしまったりもするんですけど、つぐみの葛藤とかを見ている人は見守ってくれたらいいなってすごく思います。不器用だけど一生懸命に生きるつぐみから何かを感じてくれたらいいなと思います。
作品の見どころは、私はこの映画でファミリーホームというものを知ったんですが、親のいない子供って偏見を持たれたりするんですけどその中にいる子供たちは色々経験はしてきているけどいたって普通で、みんなと同じように一生懸命生きていて当たり前の幸せを探している子たちなので、色眼鏡で見られるっていうのが少しでも無くなればいいなと思うし、ファミリーホームっていう環境を見つけられた時点でこの子たちは幸せだと思うんですよ。親の元にいて虐待を受け続けている子もいると思うので、少しでもその子たちにこの映画が伝われば選択肢として広がるものがあってくれたらいいなと思いました。

ーー他にアピールしたいことはありますか?
この映画が出来上がってから宣伝するのがすごく難しいなって思っていて、「面白いから見てください」っていう作品じゃないじゃないですか、だからどうやっておススメしたらいいかわからないんですけど、ファミリーホームのこととか色んな人に知ってもらいたい内容なのでたくさんの人に見てもらいたいなってすごく思っているんですけど、なかなか難しいですね(笑)。とりあえず、見てほしいですね。

ーー今後どういう女優さんを目指していきたいですか?
まだ経験が少ないうちに的は絞りたくないというか、何でもやりたいなっていうのはあって、とにかく今はお芝居の経験を積みたいなって思ってます。中学生くらいの頃、満島ひかりさんに憧れていたので唯一無二の空気感を出せる女優になりたいなっていうのはあります。

ーーご自身のことでアピールしたいことはありますか?
映画と全然関係ないんですけど、私野球がすごく好きでプロ野球を見に行っていて、そのうち始球式で投げたいくらいです。自分ではやっていないですけど、見ていてすごくかっこいいなと思っているので、始球式で投げられたら最高だろうなっていう(笑)。

ーーありがとうございました。

 

■あらすじ
幼少期に父から性的虐待を受けたつぐみは、その事実を母に告げられなかった後悔とトラウマに今も囚われている。

ファミリーホームで過ごしながら、SNSで男たちと知り合っては手淫でお小遣いを稼ぐ毎日。気付けばもうすぐファミリーホームを出て、社会に出ないといけない年齢。今ある日常をどのように変えていけばいいか…。

そんなある日、賢治という青年に出会う。徐々に惹かれていくつぐみは自分のこれからを見つめ始めるが、ある出来事をきっかけに大量の薬を口にすることになる?

■キャスト
樫本琳花 淡梨 しゅはまはるみ 伴優香 天白奏音
久場寿幸 合田純奈 みやたに 大山大 萩原正道 太田翔子
蓮田キト 荻野祐輔 小春 るい乃あゆ 獣神ハルヨ 森下さゆり
遠藤史也 たなかあさこ 小澤雄志 赤江隼平
山下徳久 大石将弘 山谷ノ用心

■概要
原案・脚本・監督・編集:澤佳一郎
助監督:曽我真臣 合田純奈
撮影:温水麻衣子 髙田裕真
撮影助手:水口ひまり
録音:川上翔生|録音助手:遠山浩希|録音応援:古茂田耕吉
ヘアメイク:蓼沼仁美 片山智恵子 藤澤和紀
車両:syu 合田純奈
スチール:澤山友佳 蓮田キト びばなんず
音楽:伊藤求
制作:大石知恵 久場寿幸 高瀬満寿保
製作・配給:reclusivefactory|Executive Producer:宮崎和紀
後援:一般社団法人 日本ファミリーホーム協議会
主題歌:尾崎豊『群衆の中の猫』唄:レイラーニ
英題:Resident of Alice|c2021 reclusivefactory
〔2021|日本|カラー|DCP|アメリカンビスタ|ステレオ|64分〕

2012年12月4日(火) 池袋シネマロサほか全国順次公開

公式サイト https://www.reclusivefactory.com/alice
Twitter https://twitter.com/film_of_alice

 

☆樫本琳花
Twitter https://twitter.com/rinka_kashimoto
Instagram https://www.instagram.com/rinka.kashimoto/

 

 

取材・撮影 マンボウ北川
文・編集 記者J

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記者J

地球上すべての美しい女性を求め東奔西走。今で言う推し活をむかーしから実践していた漢

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