逆境と対峙する女子高校生役を新星・中井友望が快演!『サーチライト-遊星散歩-』公開!!
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新人女優の登竜門『ミスiD』7代目グランプリで、多数の作品で話題沸騰中の中井友望が初主演を務める映画『サーチライト-遊星散歩-』が14日より公開されている。話題のヤングケアラーを主題とした本作では、若年性認知症の母を介護しながら日々苦しい生活を強いられた独りの少女を演じた中井。「苦しさの中にも希望が見える」と言わしめた中井に役のみどころなどを伺うことができたのでご紹介する。
ーー初主演映画、おめでとうございます。この作品はいつ頃出演することが決まったんでしょうか?
ありがとうございます。撮影は一年半くらい前の2022年の冬くらいでした。映画の企画は撮影の2年くらい前からなんとなく聞いていたのですが、コロナとかの状況があったのであまり話が進まなくて、ちゃんと撮ることが決まったのが撮影の3、4か月前くらいだった気がします。
ーー割と前から企画があって、中井さんが主演でやる方向だったと。
脚本を読んだプロデューサーのご提案に脚本家の小野さんが賛同してくださり、私を当て書で改稿してくださったんです。
ーー2022年撮影というと『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』より前に撮ったということ?
前です。『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』はその年の夏に撮影だったので。
ーー初めての本格的な演技という感じですか?
それまでも映画の出演は何回かありましたが「この作品ですごく成長できたな」と。そんな作品に出会えました。
ーーそんな脚本を読んでどうでしたか?
当て書と聞いて、「私ってこういうイメージなんだ」って客観的に思いました。本作のような役柄って、イメージに当てはまる人はそんなに多くないのかなと。「私にこの役のイメージがあってこの役が出来る」と思って下さった人がいるというのが、すごく嬉しいなと思いました。
ーー実際の撮影に入って、特に印象に残っていることはありますか?
まずみんなが言うのが、「すごく寒かった」っていう(笑)。私は必死だったのと楽しかったのもあるのか、割と「寒かった」っていうことはなかったんですけど、スタッフのみなさんが一番寒そうでしたね。長時間外にいるから大変そうだったのに、皆さん優しくてあったかくて。主演ですから現場にいる時間も長くて、スタッフさん達とコミュニケーションが取れてきたり、仲良くなったりするのが醍醐味でもあるのかなとすごく思いました。主演じゃない時はお会いする日数も少なかったりするので、そういう意味ではチーム感を感じられた作品になったので思い入れも強いです。
ーー平波亘監督の印象はいかがでしたか?
今でも“すごく掴みどころがない”といいますか、まだ不思議な印象です。本当に伝えたいことを言うときにちょっと照れる方なんです(笑)。へらへらって笑いながら「こうして欲しい」って。でもそういうところにこだわりがあったりするんだろうなと思いました。この作品についても果歩役についても、しっかり話し合ったり細かい演出もなく自由にやらせてもらった中で「こうして欲しい」とポイントポイントだけ伝えて下さったんです。それでも撮影が不安に感じなかったから、いい距離感でお互いやれていたのかなと思います。
ーーちなみに当て書してくれた脚本の方は現場にいらっしゃったんですか?
小野周子さんもいらっしゃいました。「こうして欲しい」とかの希望は頂かなかったんですけど、「果歩という役を宜しくお願いします」と言って下さいました。その想いはしっかり預かりましたね。
ーー共演の方について、いかがですか?
共演の方は皆さんに助けられたなって思います。特にお母さんの存在は果歩にとって大きな軸になる部分なので、守りたいと思うようなお母さん像を安藤聖さんが大事に演じて下さってすごく支えになりました。山脇辰哉さん(上野役)は何でも受け入れてくれるような役で、それに救われて最後に果歩もちゃんと元の道に戻れるきっかけになったと思いますし、本当にかっこいい役柄をかっこよすぎずに演じるのがすごいなと思いました。キザになりすぎたりするところを泥臭い要素も持ちながら演じて下さったので、果歩もそれに思わず手を伸ばしてしまうような存在でいてくれました。山中さん(長谷川淳一役)はただただ本当に怖くて…。演技の迫力もあるし嫌な気持ちを持たせてくれたからあのシーンが撮れたと思います。撮影は一瞬でしたが、あの場で対峙できたのはすごく光栄に思っています。
ーー出来上がった作品を観てどうでしたか?
演じている時から感じてはいたんですけど、色んなところにちゃんと希望がある物語でよかったなと思いました。観ている人をつらくさせるだけじゃなく、救う要素があるように出来上がっていて観客としても、果歩を演じた自分としてもすごく良かったなと思います。
ーー果歩を演じて共通する部分はありましたか?
果歩のキャラクターは割と近かったのかなと思っていて、特別意識をして何かをしたということをせずに挑めた役でした。役作りも特になく、ありのままでした(笑)。
ーー改めて、果歩の見どころと映画全体の見どころは?
果歩は、傍から見ると苦しい環境に置かれているように思えるかもしれないけど、実際自分ではそこまで苦しいとは思っていなくて、ただお母さんと一緒にいたい為にしている行動の毎日で、そういう果歩の強い部分を見つけて欲しいなと思います。映画としては、ずっとつらいことが続くわけじゃないという希望だったり、絶望の中にある希望っていいものだなと映画を通して知ってもらえるんじゃないかなと思います。
ーーご自身の中で絶望していた経験や時期はありますか?
私も10代の頃は色んなことに絶望していたなと思います。学校生活が楽しくなかったりして、そんな中での希望が映画だったり女優をお仕事にしたいと思えたことでした。
ーータイトルのサーチライトは何を意味すると思いますか?
詳しくは観て頂けた方にお任せしますが、しいていえば“照らしてくれるもの”ですね。
ーー今後の野望を改めて教えて下さい。
何年後、何十年後のことをどうでもいいやと思うようになりました(笑)。明日のこととか次のお仕事のこととか、近いことを楽しんで頑張っていくうちに良い歳の取り方が出来たらいいなと思います。その方が私にとって楽なやり方だなと気づきました。
ーーありがとうございました。
あらすじ
若年性認知症を発症した母親の世話をしていた父親が他界し、一人で母の面倒を背負い込んでしまう主人公の内田果歩。父が生きていた頃には、想像もしてないかった絶望の日々…。
友達や学校の先生にも、困窮した状況を相談できない果歩。
ある日、学校のトイレットペーパーを大量に持ち帰ろうとしていたところを同級生の上野輝之に見つかってしまう。
5 人兄弟の大家族で家計を支える為に新聞配達するほど、余裕のない生活を送っていた輝之は、同じように貧困で苦しんでいそうな果歩が気になりはじめる。
輝之は果歩と仲良くなろうと試みるも、心に余裕がない果歩には鬱陶しく感じられる。
そんな中、果歩は学校の先輩が「JK散歩」をしていることを知る。
生活費も底をつき、母を守る為に、果歩は禁断の「JK散歩」の扉を開いてしまう…。
映画『サーチライト-遊星散歩-』
出演:中井友望 山脇辰哉 安藤聖 田口洸 都丸紗也華 安楽涼 西本まりん 詩野 大沢真一郎 水間ロン 橋野純平 / 山中崇
監督:平波亘
音楽・主題歌:合田口洸 Joseph Gen
企画・脚本:小野周子
企画協力:直井卓俊
配給:SPOTTED PRODUCTIONS|制作:800LIES PRODUCTION
© 2023 「サーチライト-遊星散歩-」製作委員会
公式サイト:https://searchlight-movie.com/
公式X:https://twitter.com/searchlight_DM7
K’s cinema ほか全国順次公開中!!
☆中井友望
2000年1月6日生まれ。大阪出身。
オーディションプロジェクト「ミスiD 2019」で、3500名の中からグランプリを受賞。
2020年、TVドラマ「やめるときも、すこやかなるときも」(日本テレビ)でドラマ初出演。主人公の初恋の相手を好演し、一躍注目を集める。
主な出演作として、映画『COMPLY+-ANCE コンプライアンス』(2020年/齊藤工総監督・岩切一空監督)、『かそけきサンカヨウ』(2021年/今泉力哉監督)、
『シノノメ色の週末』(2021年/穐山茉由監督)、『ずっと独身でいるつもり?』(2021年/ふくだももこ監督)、『少女は卒業しない』(2023年/中川駿監督)、
『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(2023年/阪元裕吾監督)、『炎上する君』(23/ふくだももこ監督)などがある。
また、舞台やアーティストのミュージックビデオにも多数出演し、音楽×映画の祭典「MOOSIC LAB [JOINT] 2021-2022」のイメージキャラクターも務めた。
第15回下北沢映画祭では短編映画「LIKE THAT OLD MAN」(こささりょうま監督)が上映され多数の賞を受賞。ドラマ「君には届かない。」(TBS)、「OZU~小津安二郎が描いた物語~」第3話『非常線の女』(WOWOW)など出演作が続く。
公式プロフィール https://tencarat.co.jp/nakaitomo/
スタッフX(旧Twitter) https://twitter.com/tomo_nakai_tc
Instagram https://www.instagram.com/youwang16/
インタビュー マンボウ北川
撮影・文 記者J