2023.12.01 upload

モノクロームの雰囲気に蕩ける「愛」を小沢まゆが熱演!『ホゾを咬む』公開!!

Actress

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2児の母でありながら女優と映画プロデュースも務める小沢まゆがヒロインとして出演する映画『ホゾを咬む』が公開間近となっている。「後悔する」という意味のことわざ「臍(ホゾ)を噛む」からタイトルをとった本作。国内映画祭で多数入選・受賞している新進気鋭の映像作家・髙橋栄一脚本・監督の最新長編映画で、監督自身がASD(自閉症スペクトラム)のグレーゾーンと診断されたことに着想を得て、独自の切り口で「愛すること」を描いた。モノクロームの世界観が怪しさと品格を放ち、独特な間合いや台詞が観る者を異世界へと誘う仕上がりだ。そんな小沢に約20年ぶりにインタビューをしたインタビュアー・マンボウ北川が聞いた興味深いトークをご紹介する。

ーー昔から取材しているもので、、『少女~an adolescent』の取材会にも以前行ったことがあります。映画も必死になって見たのを覚えています。

お久しぶりです。20数年ぶりですね、ありがとうございます。

ーーしばらくお休みの期間があったんですね?
『少女~an adolescent』でデビューをしてしばらく俳優のお仕事をしていたんですけれども、結婚と出産と育児を機に仕事との両立が難しくなってしまい、思い切って休んだ方がいいなと思って約10年女優業を休みました。その間も女優の仕事は続けたい気持ちがあったので、育児の手が離れたくらいから少しずつ復帰してきました。

ーー最近はプロデューサー業もされていらっしゃると?
元々、プロデューサーをやろうと思ったきっかけはコロナ禍です。「世界中の価値観が変わってしまうことが起こるんだ、この先いつ何があるかわからない」と思った時に、自分のやりたいことはやろうと思い、漠然と映画を作りたいという憧れがあったので、今だったら何か作れるかもしれないと思ってチャレンジしたのが今回の作品の前作にあたる『夜のスカート』という映画です。

ーー今回はどのようないきさつでプロデューサー&ヒロインを務めることになったんですか?
『夜のスカート』が37分の中編映画だったので、長編映画も作ってみたいという思いもあって、以前ご一緒したことのある髙橋栄一監督にお声掛けをして今作の企画が始まりました。そこから始まって「私も可能なら出演したい」とお伝えしてヒロイン役を演じさせていただきました。

ーー謎の少年とか「あれは何だったんだろう」って気になる所がたくさんある映画ですが、何か狙いがあるんですか?
もちろんです! 謎の少年もただの謎の少年ではなく…。観て頂いた人が「あの少年は何だったんだろう」って自分なりに解釈して頂けると楽しいかなと思います。主人公が妻らしき人を見かけますが、その女性も、本当に妻なのか妻じゃないのか、同じ映画を観ても観る人によって答えが分かれるところが面白い。観て頂いて、どう思ったのか、どう解釈をしたのか聞くのも楽しみです。

ーーネタバレになるので言えないですが、気になることがたくさんあります。
色んなことに疑問を持ってくださると嬉しいです。

ーー冒頭の“夢”のシーンについては…
実際に“夢”という設定です。映画にとってすごく大事なシーンで、色んなフックがあるというか…。

髙橋監督が、自分の中から出てくる欲みたいなものを夢の中に置いているっていう感じです。

ーー映像がモノクロなのは何か意図があるんですか?
本当は全編カラーで撮ったんですけど、全部のシーンをつなげてメインスタッフで観たときに何だかしっくりこなくて、カメラマンの西村(博光)さんが「試しにモノクロで見てみたらどうかな」と提案をして下さったのでモノクロで見てみたら、カラーよりも断然、髙橋監督がこの映画で伝えたかったことが伝わるなってなり、思い切ってモノクロに変換することになりました。

ーー初めからの意図ではなかったんですか!クライマックスがカラーだったらすごい画だったんだろうなと。
確かに。

ーー役の見どころを教えて下さい。
私が演じるミツは家に居ることが好きで、暮らしを楽しんでいるとても自由な女性。夫に「家に居ろ」とか「外に出るな」とか言われているワケではなく、彼女は自分の意志で家に居て、好きなご飯をつくって、好きな仕事をして、好きな絵を見て過ごすような自由な女性なんです。その妻に対して夫はどんな疑いを抱くのかがポイントになっています。

ーー映画全体の見どころを教えて下さい。
妻に疑いを持ち監視していく夫が、監視カメラを通して妻を見つめる過程でどう変化していくのか。そこに出てくる登場人物たちや言葉に触れてどう変わっていくのか。最終的にどんな答えをみつけていくのかというのがこの映画の見どころだと思います。その他にも、モノクロの世界観とか会話の面白さとか、人と人との間で起こるズレや距離感など、色んなポイントで楽しんで頂けるかなと思います。

ーー今回の映画はどういう人に見てもらいたいですか?
監視カメラを家につけるまではしなくても、ある日突然身近にいる家族・親友・恋人の知らない部分を見てしまったり知ってしまって、信じられなくなったり疑ってしまうっていうことはあると思うんです。そういう誰にでもある“疑う気持ち”“信じる気持ち”を映画では表現していると思うので、色んな人が自分のことのようにして観ることができる映画だなと思います。

ーー今後の活動について。
今後も俳優としてより多くの作品に出演していきたいなと思いますし、プロデューサーとして映画を作っていきたいなとも思っています。私にとって映画や映画館って逃げ場なんですよ。映画の世界に入ってしまえば現実から一歩離れてその世界に没頭できる。そこで元気をもらったり知恵をもらったりしてまた現実の世界に戻る。誰かにとってもそんな逃げ場になるような映画を作っていきたいなと思っています。

ーー他にも活動していることはありますか?
2016年に熊本地震が起きた時から、同じ熊本出身の芋生悠さんと2人で熊本復興支援の映画イベントを立ち上げて定期的に開催しています。そこで得た収益を震災復興支援に充てる活動をしているので、継続していけたらいいなと思っています。

ーーありがとうございました。

 

☆あらすじ
不動産会社に勤める茂木ハジメは結婚して数年になる妻のミツと二人暮らしで子供はいない。
ある日ハジメは仕事中に普段とは全く違う格好のミツを街で見かける。帰宅後聞いてみるとミツは一日外出していないと言う。
ミツへの疑念や行動を掴めないことへの苛立ちから、ハジメは家に隠しカメラを設置する。
自分の欲望に真っ直ぐな同僚、職場に現れた風変わりな双子の客など、周囲の人たちによってハジメの心は掻き乱されながらも、自身の監視行動を肯定していく。
ある日、ミツの真相を確かめるべく尾行しようとすると、見知らぬ少年が現れてハジメに付いて来る。
そしてついにミツらしき女性が誰かと会う様子を目撃したハジメは…。

☆映画『ホゾを咬む』12月2日(土)より新宿K’s cinema他全国順次公開

出演
ミネオショウ
小沢まゆ
木村知貴
河屋秀俊

脚本・監督・編集:髙橋栄一
プロデューサー:小沢まゆ
製作・配給:second cocoon
文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業
2023年/日本/4:3/モノクロ/108分/DCP /5.1ch

(C)2023 second cocoon

公式サイト:https://www.second-cocoon.com/work/hozookamu/
Twitter:https://twitter.com/hozookamu
Facebook:https://www.facebook.com/hozookamu

 

 

 

☆小沢まゆ
映画『少女〜an adolescent』(奥田瑛二監督/2001)に主演し俳優デビュー。同作で第42回テサロニキ国際映画祭、第17回パリ映画祭、第7回モスクワ国際映画祭Faces of Loveにて最優秀主演女優賞を受賞。主な出演作品に『古奈子は男選びが悪い』(前田弘二監督/2006/主演)、『いっちょんすかん』(行定勲監督/2018)、『DEATH DAYS』(長久允監督/2022)、『こいびとのみつけかた』(前田弘二監督/2023)などがある。2022年に初プロデュース映画『夜のスカート』(小谷忠典監督)が劇場公開。出身地熊本県の震災復興映画イベントを主催するなど多方面で活動している。
公式プロフィール http://www.tokyo-aa.com/artists/artist_ozawa.html
Twitter https://twitter.com/hotpluscinema
FaceBook https://www.facebook.com/profile.php?id=100010739683421
Instagram https://www.instagram.com/ozawa_mayu/

 

 

インタビュー・撮影 マンボウ北川
文 記者J

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