2025.11.18 upload
中澤実子、自然の中で挑む“心の変化”──女優として描く未来と前向きな輝き
中澤実子が、新作映画『もういちどみつめる』で自然の中に佇む由香理を演じる。
2023年には映画『春の結晶』で渋谷TANPEN映画祭 最優秀主演俳優賞を受賞し、翌2024年にはBS日テレ『牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者』でヒロインを好演。モデル出身らしい超キュートで可愛い雰囲気を持ちつつ、女優としての表現力を磨いてきた彼女。今回も、静かな自然の中で揺れる心を繊細に映し出し、前向きで上向きな輝きが画面を満たす──観る者をそっと引き込む演技は必見だ。
ーー出演が決まった経緯は?
出演はオーディションを経て決まりました。実際にその場でお芝居を監督に見てもらい、そこで出演OKをいただいたんです。
ーーオーディションを受けた理由は?
今は「全部やりたい」精神で、とにかく来たオーディションはすべて受けたいんです。
台本をもらったときも「絶対受けます!」と即答しました。挑戦できるものはすべてやりたい、という気持ちで挑みました。
ーー撮影はいつ頃でしたか?
撮影は去年の5月くらいで、オーディションはそれより前なので、もう1年半ほど前のことです。

ーー決め手は何だったと思いますか?
オーディションでは映画のシーンを使ってお芝居をしました。決まった時、監督から「すごく繊細で、ニュアンスがよく出ていて、雰囲気をすごく感じました」と言ってもらえて。自然な演技が評価されたのは、本当に嬉しかったです。
ーー役柄について教えてください。健二(徳永智加来)の恋人ですか?
恋人ではありません。4人は仲良しの友達グループとしてキャンプに来ている設定です。ただ、ユウキ(髙田万作)と由香理(中澤実子)が仲良くしていて、健二が嫉妬するシーンがあります。向こう側には多分好意がありますが、由香理としてはあくまで友達の関係です。
ーー撮影で印象に残っていることは?
山の中だったので、5月とはいえ夜はめちゃくちゃ寒かったです。キャンプシーンではキャンプファイヤーに本当に救われました(笑)。スタッフさんもキャストたちも少人数で、一体感がすごく、みんなで撮影に向かう空気感が印象的でした。特に健二が嫉妬するシーン、キャンプ中のシーン、ユウキと二人で空を見上げながら話すシーンは、忘れられない体験になりました。
ーー日数的には短め?
私は3日ほどで撮影を終えました。
ーーロケ地はどこですか?
長野県の伊那です。私自身も長野出身なので、とても嬉しかったです。
ーー共演者の印象は?
同年代が多く、休憩中もみんなでわいわい話していました。撮影の合間も自然と笑いが生まれ、和やかで楽しい現場でした。
ーー自然描写が印象的でしたが、演じやすさは?
山の中にずっといたので、自然に入り込みやすく演じやすかったです。鳥の声や川のせせらぎを感じながらユウキと静かに話すシーンでは、本当に自然の中で生きている実感がありました。鹿や虫もいて、リアルな自然の中での撮影は特別な体験になりました。
ーー由香理役の見どころは?
由香理は、コケを探したりして少し不思議な雰囲気を持つキャラクターです。ユウキは普段あまり心を開かない人ですが、由香理には自然と話せる。その温かさも見てほしいポイントです。
ーー映画全体の見どころは?
ユウキと叔母(筒井真理子)が、それぞれ抱える生きづらさを、人と人との対話でどう変化させていくか。2人の心の動きや変化を丁寧に描くところが大きな見どころです。さらに、ユウキの不器用だけど放っておけないキャラクターも魅力で、そこもぜひ注目してほしいです。
ーーここで、タイトル『もういちどみつめる』の意味は?
特定の誰かではなく、登場人物それぞれが抱えるものをもう一度見つめ直すことで、何かが変わったり受け取り方が変わったりする。人と対話を重ねる中で生まれる気づきや変化を描くタイトルだと感じています。監督から直接説明を受けたわけではないので、あくまで自分の感覚としてですが、作品のテーマにぴったりだと思います。
ーー芸能活動を始めたきっかけは?
ファッション誌『sweet』(宝島社)と事務所のコラボオーディションに参加して、そこでグランプリを獲ったことがスタートです。
ーーモデルから女優へ?
モデルとして活動を始めましたが、お芝居のレッスンを重ね、今はお芝居をメインにしています。モデルのお仕事も続けていますが、映像仕事中心で活動中です。
ーー今後の目標や野望は?
映画だけでなく地上波の連ドラなど、さまざまな作品に出演できる女優を目指しています。オーディションも積極的に受け、いただいた役は全部挑戦したい! ゆくゆくは主演も張れる女優になりたいです。朝ドラ出演も夢のひとつです。
ーー好きな映画や役については?
映画で初めて心から泣いたのは『君の膵臓をたべたい』です。映画で泣くことはあまりなかったのですが、何度も見返しました。感動できる作品に出演できることも、将来の目標です。
ーーありがとうございました。

▼あらすじ
山のキャンプ場を営む典子の元に突然の来訪者がやって来る。それは、1年前に少年院を出所した甥っ子のユウキ。ユウキは、典子の姉である母親を探していると、このキャンプ場にやってきたが、典子が義理の兄に電話すると、ユウキと義理の兄はうまくいっていないとのこと。ユウキにキャンプ場でバイトをさせてあげ、「私にできることは、あなたの話を聞くことだけ」と寄り添う典子は、近所に住む明夫によると、人の表情を読み取るのが苦手で、言葉が大事。「世界の見方は皆同じじゃない」と言う典子に、次第に心を許していくユウキ。
そんなある日、典子の息子でユウキの同い年の従兄弟である健二が、大学の友達とキャンプにやってくる。森の植物や星など、ユウキと由香理が共通の話題で盛り上がるのを見て嫉妬した健二は…
▼予告

▼キャスト
筒井真理子 髙田万作
にしやま由きひろ 徳永智加来 中澤実子 吉開湧気 リコ(HUNNY BEE) 内田周作 川添野愛
▼スタッフ
監督・脚本・編集・プロデューサー 佐藤慶紀
プロデューサー小林良二 撮影 喜多村朋充 大渡仁 録音・スチール 近藤俊哉
助監督 齋藤成郎 メイク 桐山雄輔 衣裳 チバヤスヒロ 音楽 中野晃汰
配給 渋谷プロダクション 制作Aerial Films
2025/日本語/STEREO/ヨーロピアンビスタ/113min
©Aerial Films
▼URL
公式サイト https://mouichidomitsumeru.com/
X https://x.com/mouichidomovie
Facebook https://www.facebook.com/mouichidomovie
▼イベント情報
「新宿K’s cinema」、11/22(土)11:50〜の回、上映後の初日舞台挨拶とサイン会に中澤実子が参加予定!
☆中澤実子
2002年7月26日生まれ、長野県出身。
2020年にデビュー。2023年には映画『春の結晶』で渋谷TANPEN映画祭 最優秀主演俳優賞を受賞。2024年にはBS日テレ「牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者」にてヒロインを好演した。そのほか、テレビ東京「きのう何食べた?」、日本テレビ「大病院占拠」などドラマや映画で幅広く活動中。
公式プロフィール https://www.stardust.co.jp/talent/section1/nakazawamiko/
Instagram https://www.instagram.com/miko_nakazawa/
TikTok https://www.tiktok.com/@miko_nakazawa
インタビュー マンボウ北川
撮影・文 記者J