2018.02.03 upload

サトウトシキ監督×吹越満のタッグでAV業界の男と女を描く映画『名前のない女たち うそつき女』初日舞台挨拶 

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累計売り上げ40万部を突破した中村淳彦著の「名前のない女たち」シリーズの最新刊「名前のない女たち貧困AV嬢の独白」が、ピンク四天王のサトウトシキ監督×『冷たい熱帯魚』(監督:園子温)の吹越満の最強タッグで、『名前のない女たち うそつき女』として完全映画化されました!

いまや社会問題化しているAV業界の中で生きる男と、企画AV女優として生きる女性。そこに関わる者たちの生々しい生き様を描く青春群像劇。

主人公のルポライター・志村役を吹越満が演じるほか、多摩大初代ミスコングランプリを経てモデル・女優
として活動している城アンティアが企画AV女優の葉菜子役で、また、アイドルグループ CANDY GO!GO! の元メ
ンバーである円田はるかが葉菜子の妹・明日香役で、ハードな濡れ場に初挑戦。若手実力派の笠松将と小
南光司、そして、ベテランの吉岡睦雄、不二子、クノ真季子、川瀬陽太が脇を固めます。

2月3日(土)に開催された初日舞台挨拶では、見下しているはずのAV女優たちに執着していることに気づくルポライター・志村役の吹越満、濡れ場に初挑戦した企画AV女優役の城アンティアとその妹役の円田はるか、企画AV女優のヒモ役の笠松将、ピンク四天王のサトウトシキ監督に、原作の中村淳彦が登壇しました。

■コメント


「『名前のない女たち』シリーズを初めて読んだのは、約10年前で、立ち上がっては消えた映画化企画なので、感慨深いです。ありがとうございます。」と挨拶したサトウトシキ監督。本作は、中村淳彦さんによるノンフィクション書籍『名前のない女たち 貧困AV嬢の独白』の映画化ですが、「当初はインタビューされている側の企画AV女優さんの一人を主人公と考えていて、『うそつき女』というタイトルは残っているんですが、『全体の世界を客観的に見せるには、(主人公に)ルポライターが必要だ』と思い、作っていきました。企画AV女優さんたちの過去の生い立ちやトラウマよりも、今彼女たちがどうしているか、これからどうしていくんだろうという“今”の話にしていこうと思いました。」と映画の成り立ちについて説明しました。

 

主人公のルポライター・志村を演じた主演の吹越は、「ふざける映画ではないなと思いましたし、ニュートラルな状態で、癖のあるキャラクターにしない方がいいなと思いました。等身大の普通の人の方がAV女優との関係も見えやすいかと思いました。」と役作りについて語る一方、「一番最初に頂いた台本を読んだ時には、僕の絡みのシーンもありましたよね?」と監督に不満を言う場面も!「なぜか撮影する段になって絡みのシーンがなくなっていました。僕はそのつもりだったんですけれど。(笑)ほっとしたような残念というか。」と複雑な心境を話しました。

 

 

監督と脚本家は原作者の中村にはあえて取材をしなかったとのことですが、原作の中村は、「試写で見たら、こんな素晴らしい映画になっていて、本当にびっくりしました。サトウ監督以下、ありがとうございます。この映画そのままなんです。本当にこんな感じの日常で、決してやりがいのある仕事でもなんでもなくて(会場笑い)、取材して、原稿を入れて、嫌な気持ちになって。そんなことが映画になるんだなというのが本当にびっくりしました。」と感激していました。司会に、「主人公が『底辺だよ』というシーンがありますよね?」と聞かれると、「女性にはそういうことは言わないんですけれど、あんなことばっかり日常的に言っていて、ほんと、『これ自分だな』と思いました。同じような仕事をしている人が何人かいるんですけれど、『自分じゃなきゃいいな』と思っていたんですけれど、重なる部分が多く、『これは僕しかいないな』と思いました。」と話しました。

 

 

濡れ場にも初挑戦した企画AV女優の前田葉菜子役の城アンティアは、「昼普通に仕事をして、奨学金返済のためにAVに出るというのはどういう気持ちなんだろう。家族とも色々ありましたし、彼氏とも色々あるので、彼女自身が抱えるモヤっという気持ちを一番思って演じました」と役作りについて話しました。

 

 

葉菜子のヒモである辻本将人役の笠松将が、「働いて、彼女をないがしろにするのもかっこよくないし、働かずに彼女のことをめっちゃ大事にするのもかっこよくないですけれど、今回はただ彼女のことを大切にして仕事をしていなかったというだけで」と話すと、彼女役を演じた城も、「自分自身だったら嫌ですけれど、好きでした」と助け船を出しました。司会が「慣れた手つきで料理されていましたけど?」と聞くと、「段取りとリハーサルで。」と回答し、会場の笑いを誘いました。

 

 

葉菜子の妹の明日香役の円田はるかは、「見た目が自分とかけ離れていて、演じていて楽しかったです。自分の意志をすごく持っているところが似ているなと思い、自分と重ねつつ演じました。」と話しました。

観客へのメッセージとして、吹越は、「『楽しんでいただけました?』と言うほどギャグがあるわけでもないですし、アクションシーンがありませんので、色んな意味で皆さん感想をお持ちいただいたと思うんですけれども、もしよろしければ2度3度劇場に足を運んで頂ければと思います」、城は、「この映画を観て、何か発見だったりとか、気づきだったりとかそういうものを得て帰って頂けたら嬉しいです」、サトウ監督は、「描いているのも小さな世界ですし、規模的にも小さい映画ですが、この映画は、地方を回っていくので、応援してくださると嬉しいです」と語り、会場は拍手に包まれ、舞台挨拶は終了しました。

■開催日時
2月3日(土)14:10頃〜
登壇者(予定): 吹越満、城アンティア、円田はるか、笠松将、
サトウトシキ監督、中村淳彦(原作)
会場:新宿K’s cinema

 

■ストーリー
ルポライターの志村篤(吹越満)は、主に AV 女優を専門に取材をしては本にしていた。AV 女優を「人前で裸になってセックス売ってるだけの社会の底辺」と内心バカにしつつも、彼女たちの前では「尊敬している」と言ってみたりしていた。自分が心底見下している対象であるはずの AV 女優たちに、なぜ彼は執着し、追い続け、そして取材し続けるのか。彼はある種の矛盾を抱えていた。彼をそこまで惹きつけて止まない AV 女優とは何なのか。
そんな中、企画 AV 女優である前田葉菜子(城アンティア)と取材を通して出会う。いつものパターンだと思った。惨めなくせに、そこを直視することなく、「充実している。」「幸せ」「AV女優は夢だった」等と言っては明るく振る舞い、空虚な嘘で作り固められた今までの AV 女優と同じだと思っていた。しかし、葉菜子は何かが違っていた。
一方で、葉菜子の妹の前田明日香(円田はるか)は、高校を中退し、若さも時間も持て余していた。実家に全く帰ってこない葉菜子に会いに、田舎から親に内緒で出てきてしまう。そんな時、ワケありのホストとして働き始めていたツバサ(小南光司)と出会う。
それぞれが、それぞれに、切ない人生を日々生きていて、心にある闇や、葛藤、矛盾、言いようのない何かを抱えて、それでも生きて……。

出演:吹越満  城アンティア 円田はるか 笠松将 小南光司 吉岡睦雄 不二子 クノ真季子 川瀬陽太
●監督:サトウトシキ(「ジャイブ」「ちゃんこ」「モーニングセット、牛乳、春」)
●原作:中村淳彦「名前のない女たち 貧困 AV 嬢の独白」(宝島社)
●プロデューサー:森原俊朗・小林良二・橘慎 ●脚本:加瀬仁美 ●撮影監督・スティル・編集:小川真司(J.S.C.)
●録音:岩間翼 ●助監督:大城義弘   ●音楽:入江陽  ●ラインプロデューサー:川上泰弘
●制作会社:ソリッドフィーチャー ●配給・宣伝:渋谷プロダクション
●製作:「名前のない女たち うそつき女」製作委員会(オデッサエンタテイメント・渋谷プロダクション)
●主題歌:アクメ『CALL MY NAME』
2018年/日本/DCP/カラー/ステレオ/86 分
©「名前のない女たち うそつき女」製作委員会
http://namaenonaionnatachi-movie.net

 

編集 記者J

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