2021.03.18 upload
演技派新人女優・円井わんの魅力を堪能できる映画『コントラ』公開!
今、人気急上昇中の若手女優・円井わんが長編初主演となる映画『コントラ』が20日公開となる。日本在住でインド出身の監督アンシュル・チョウハンが手掛けた本作。北米最大の日本映画祭「第14回ジャパン・カッツ」で創設された「大林賞」を受賞。円井演じる女子高生が、突然起きた様々な事象に対応していくことでストーリーが展開していく。そんな円井にたっぷりとインタビューができたのでここで紹介したい。
ーーお名前は芸名ですか?
芸名です。由来は犬ですね。とりあえず芸名にしたいという話を相談したんですけど、そこから何がいいかなってなった時に、柴犬に顔が似ているということを言われて、そこから「わん」になって、「わん」となったら苗字をどうする、まるいお椀のような器がある人、から「わん」がナンバーワンとか掛け合って、気づいたら「円井わん」になっていました。みんなが協力してくれて。
ーーいつから「円井わん」?
19歳くらいから。今は23歳です。
ーー今回の映画はどのように出演することが決まった?
もともと監督とは知り合いで、別のオーディションに呼ばれたんですよ。そしたらその映画がなくなったんです。で、オーディションの結果を聞かないまま「そうですか」ってなったんだけど、別の脚本の台本を書いている時に私の顔が浮かんだらしくて、それでオファーしてくれました。
ーー撮影はいつくらいですか?
2018年の11月後半から12月の前半の10日間で撮りきりまして、めっちゃ寒かったです。死ぬーって思いましたけど、それがドキュメンタリー感があってよかったそうです。
ーーロケ地はどこでしたか?
岐阜県の関市。
ーー時代設定はあるんですか?
1900…。携帯が出てこないんですよ、1990年代くらい、の時代かな。大まかなことは決めていて、携帯を出さないとか、デジタルなもの最新なものを出さないとか、っていうのは決めていました。
ーー車のナンバーが世田谷ナンバーだったけど…
監督に言ったんですよ、だけどわかんないって言われて、いやわかるからって(笑)。あれは議論中です。日本人はわかるよって言ったんですけど、いや大丈夫わかんないからって(笑)。
ーー撮影に入る前に、なんらかの説明はあった?
具体的にこの人はこういう人だよっていうことは教えてくれなかったんです。
ーーソラさんはどういう人かとかは?
ソラはすごく話し合いました。半年くらいリハーサルをして、でもほぼほぼ私で当て書きしているからアレなんですけど、だけど普通の女子高生ではない、友達いないし、学校終わったらすぐ帰ってくるし、学校さぼっておじいちゃんの宝物を探しに行ってるし、バナナの皮を駐車場に捨てるし、目玉焼きをつついて吸うし、人と違う感じを作りたいと言っていて、それを私も望んでいたんです、いかれた感じがいいって。彼の前作も見ているんですが、前作の主演の役よりもいかれた感じの役にして欲しかった。
ーー絵がきれいだった、あの中に宝物の地図があったんですか?
中盤に描いていたんです。
ーーあの後に探しに行くんだなって思った、わかりやすい宝の地図ではなかったような
ひっぱりましたからね、探しに行くまで。
ーーちゃんと見てれば宝の地図がわかるんですね
文字が書いてあります。スクリーンじゃないと見にくいと思います。映画館用にワイドに作っているから、スマホとかパソコンだとちょっと見にくいかな。
ーー撮影の時に印象にのこったこと、大変だったことは?
ほぼほぼ大変でした、なんだろ、監督とも衝突して、初日とか大喧嘩みたいな(笑)。
ーー何が問題だった?
何を言っているのかわからない、何が欲しいのかも、監督の中でもこういう画が欲しいっていうのは決まっているんだけど、でもそれを詳しくいってくれないと演者は形にできないから、もうちょっとちゃんと詳しく言ってって言っても、監督なりに詳しく言ってるけど、私には伝わっていなくてそれで言い合いになってちゃんと話し合って解決したんです。それから二日目以降は順調に撮れたって感じでしたし、けっこうずっと長回しだったので、手とか気づいたら傷がついていたりとか、本当大変だった。あと川に入ったり…。急に入れって言われたんですよ(笑)、この時期に(笑)、間瀬さんとセイラさんと私で、ちょっと来てって言われて、監督とマックスっていう撮影の人と5人で車に乗ったんです。そしたら急に川で止めて、遊んでって言われて、「は?」って言って、三人でびしょびしょになってとか、あとセイラさんっていとこのお姉ちゃん役の人と酔っぱらって空手をするシーンがあるんですけど、本当に酔っぱらっていたんで、けっこう飲んだんで。リアルに酔ってくれって言われてなかったんだけど、持っていたお酒が本当のお酒だったんです、これ本当に酔えってことなのかなって、ストレートだからだんだん、ん~ってなって、まだ撮影あるんだけどなって、感じでリアルに物語が進んでいったかな、大変でしたね。リアルな撮影でしたね。
ーー山を掘るとき素手だったのも大変そうでした
あれ、なんで素手で掘ったんだろうって今だから思うんですけど…。
ーーすごいなって、印象に残りました
がーってなりすぎて、素手でいっちゃったんですよ、痛いんだけど止まらないから、あの時は覚醒していましたね。意識がない状態、服とか何で脱いだんだろう、今だから思いますけど、世の中のフラストレーションとかがあそこに詰まってたんだなと、自身の。
ーー後ろ向きで歩く人、日本人じゃないのかなって思った
あの後ろ向きで歩く人って、本当に生きているのかなとか、どっから来たんだとか、ああいう部分は本当ファンタジーだと思うんです。リアリティの中にああいうファンタジーを入れ込むから、混乱する人もいるのかなと思う。映画の題材としては日本にはないなって思ったし、あんまりそういう映画を見たことがないなっていう、大胆さはすごく面白いなと思ったのと、見る人がすごく考える、なんでこうなったのか、とか、なんで後ろ向きなんだろうとか、なんでソラと接触したのかとか、どういう関係なのかとか、私はそんな本作がけっこう珍しくていいなと思いました。世界でも評価して頂いた時に、演者としては本当にこれは受け入れてもらえるのかとかすごく考えて、これわかるかな、とかすごく不安だったんですけど、ハリーポッターをとっている監督が審査員に居たんですけど、すごく褒めてくれてよかったです。次は日本公開が近づいていますけど、そこがまた一個私の不安要素でもあるので、どう受け入れてもらえるかっていうのが不安です。
ーーご自分の役的な見どころ、映画全体の見所を
若い世代に見てほしいです、私ぐらいの。もっと知ってほしいことがたくさんあるなって思います。監督は日本人よりも日本の歴史に詳しい気がするんです、監督からも日本の若者は自分たちの国の歴史を勉強した方がいいって言われたんですね。私はもともと歴史というか戦争というものに興味があるので、それはお父さんの影響なんですけど、すごく思うんです。知らないことが多すぎるから、戦争時代に生きた人達は年々亡くなっているから伝える人が少なくなっているんですよ、もっと勉強した方がいいと思うので、そういう人達に同じ過ちを繰り返さない為にも、なぜ戦争がダメなのかとかも、この映画を通してでももっと知りたいと思ってもらえたらいいなとも思いますし、私の役を見てこんなやつもいるから大丈夫だよみたいなとか、思ってもらえたらいいなと感じます。彼女絶対孤独なんですよね、心が。周りに人はたくさんいるけど絶対孤独で、孤独だけどどうにかなる感じ、強くあってほしいなと思うので、そういうことも伝えたいです。
ーー今後の野望は?
日本に居ながら海外でできたらいいなって思います。韓国映画とか超やりたいんですよね。韓国語ぜんぜんわからないんですけど、海外に勉強に行こうかなって思ったんですけど日本に居ながらでも勉強できるからって言われて、じゃあがんばるわって。こういう映画の機会があったからこそできた野望だなと、海外の作品に28歳までに一個出れたらいいなと思います。
ーープライベートでは何をしているんですか?
歯をきれいにしていますね。最近週一で歯医者に行っています。あと煙草をバンバン吸っています。声を低くしたいから。伊藤沙莉ちゃんに憧れていて、憧れすぎて、煙草をめちゃくちゃ吸っています。あと酒も飲んでいますね。今はあんまり飲んでいないけど、昔はバンバン飲んでいました。
ーー趣味は?
最近ですよね…、何かしらしているんだよな。進撃の巨人、家に帰ったら必ずついているんですよね、自分でつけているんですけど、それぐらい好き。あと、猫は飼っています。動物の世話が趣味です。うちは三毛猫です。
ーー今年の目標
今年はファンを付けたいです。ファンがいないんですよね、せめて50人は。フォロワーいないんです。増えないんですよね。
ーーありがとうございました。
あらすじ
高校生のソラ(円井わん)は、父親(山田太一)と二人暮らしだが、その関係は冷え切っている。そんなある日、急死した祖父が第二次世界大戦時の日記の中に遺していた、記号化された宝の存在を知ることとなる。彼女が密かに宝の探索を試み始めたとき、突然無言で後ろ歩きをする見窄らしい男(間瀬英正)と遭遇する。ソラの身に、ほぼ同時に起こった二つの事象。それは果たして何かの啓示なのか?
『コントラ KONTORA』 3月20日(土)K’s cinemaほか全国順次公開
アンシュル・チョウハン長編第二回作品
2020年日本映画│144分│白黒│2.35:1│日本語│DCP=BD
A Kowatanda Films Production
協力会社:株式会社アティック&株式会社ワールドP.S. 制作・監督:アンシュル・チョウハン 制作総指揮:海老原信顕 コープロデューサー:茂木美那 / 山田太一
出演:円井わん / 間瀬英正 / 山田太一 / 清水拓蔵
脚本:アンシュル・チョウハン 編集:ランド・コルター 撮影監督:マックス・ゴロミドフ 音楽:香田悠真 撮影助手:ピーター・モエン・ジェンセン 音響:ロブ・メイズ
配給:リアリーライクフィルムズ + Cinemaangel 配給協力:アルミード
Ⓒ 2020 KOWATANDA FILMS. ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト https://www.kowatanda.com/kontora
Twitter https://twitter.com/kontora_2019
円井わん
大阪出身。幼い頃から役者を目指し高校卒業を機に上京。スタイリストの助手等で現場に行き独学で芝居を学ぶ。内田英治監
督作品『獣道(Love and other cults)』で映画デビュー。西川達郎監督『向こうの家(the other home)』、佐藤佐吉監督『黒い乙女Q&A(Black Maiden)』、Netflix「全裸監督(Naked Director)」、テレビ東京「Iターン」「セトウツミ」「100万円の女たち」等のドラマやMusic video等映像を中心に幅広く活動し、21年には公開待機作品が5本ある。今作で長編初主演となる。
公式プロフィール https://jungle-tokyo.com/member/wanmarui.html
Twitter https://twitter.com/wanmarui
Instagram https://www.instagram.com/wanmarui/
スタイリスト 石垣陽輔 (Gakky)
取材 マンボウ北川
撮影・編集 記者J