2021.12.17 upload

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世界レベルのダンスを封印した演技に注目!仲万美「初めてのことだらけの女優業が刺激的!」

NHK紅白歌合戦では椎名林檎のバックで踊り、マドンナのワールドツアーでバックダンサーを務めるなど、世界をも虜にしたアーティストの仲万美(なかばんび)が初めてダンスをしない演技に挑戦した映画『偽りのないhappy end』が12月17日に公開された。前述したように、本作での仲によるダンスシーンはいっさいなし。妹が行方不明となり探していくうちに狂っていくという難しい役に自身の武器を封印して臨んだ。そこにはどんな苦悩があったのか等がインタビューできたのでご紹介する。

ーー今回映画の出演が決まったきっかけは?
以前のマネージャーさんに「こういう映画でキャスティングに名前が出ているのでいかがです?」と台本も頂いて読んで、是非ともやりたいと言ったのが最初ですね。

ーーぜひともやりたいと思ったポイントはありますか?
今回のお芝居は初めての挑戦かなと思ったんですよ。今までは自分の武器であるダンスがメインのお芝居が多くて、それがいっさいないっていう。ダンスもなければ笑顔もなければ笑いもなければ、ザ・お芝居っていう映画だなと思って。それは自分にとって見たことがない世界ですし、初めての挑戦だなと思ったので、ぜひともやりたいとお答えしました。

ーーいつ頃お話が来て、いつ頃撮影でしたか?
お話を頂いたのは、2年前の夏くらいだったのかなあ。撮影自体はちょうど2年前の10月でした。東京と滋賀で撮りました。滋賀には2週間くらい泊まり込みで撮影でした。

ーーご自身の役柄とか全体的な話に対して、やる前とやった後では何か違いはありましたか?
撮影の前に打ち合わせを兼ねての稽古をしたら、自分でも気づかないことがたくさんあったんですけど、撮っていくうちに気づくこともありました。

ーー具体的に特に印象に残っていることは?
全てが初めてだったので全部印象的だったんですけれども、そもそもケンカをしたことがなくて、人の胸ぐらを掴むとかすごく近距離で罵声を浴びせるとか、経験がなかったので「どうやるんですか?」みたいな(笑)。「どうやって人の胸ぐらを掴むんですか?」っていうところからだったので丁寧に教えて頂きました。丁寧に教えてもらったところで撮影に入ったら役に入って、きっと首とかひっかいてしまったのかなっていう不安はあるんですけど、その勢いがよかったのか一発OKでした。すごく刺激的でした。

ーー劇中でヒヨリの取材に集まった記者たちに対しても?
そこもそうでしたね、あんなに囲まれることはないので、圧もすごかったですし。映画のシーンでは一言しか発していないんですけど、実際は「うるさい」とか「あーもう」とか言っているんですよ。カットされて一言になっているんですけど。彼女は怒りしかないのでそれをどう表現しようかと思ってもう叫ぶしかないと思って叫んだりしていたんですけど、あの撮影は色々怖かったです(笑)。なかなかできないことだと思うので貴重な経験です。

ーー実際にご兄弟はいらっしゃるんですか?
ふたつ上の姉がいます。本編では自分がお姉ちゃんだったんですけど、実際は末っ子です。

ーー役の妹さんはあまり出てこないですね。
撮影現場で会うこともなかったんですけど、自分と実際のお姉ちゃんを照らし合わせて挑んだこともあって、自分のお姉ちゃんはこういう時助けてくれるのかなとかこういう時こうするのかなとか考えたりはしましたね。

ーー観客に委ねる余白のある映画で、劇中では説明されていないことがたくさんあるのですが、演じている側として感じることはありますか?
姉妹もそうだし家族もそうだし友達もそうだけど、知らないことってたくさんあるんだなっていう気づきはありました。すごく仲のいい親友でも知らないことはいっぱいあって、それを引き出すのもいいのかなと思ってしまうし、話してくれれば全然聞くんですけど、こっちが引き出さないと意味がないのかなとも思うし、そこはもどかしいなと思いましたね。この映画を通して自分の役を通して、自分なりに大事にしなきゃなって思いましたね、もっと話さなきゃとかもっと色々知らなきゃなって。

ーー妹さんについては役的に理解できましたか?
全く理解できていないです。謎です。だからあんなに混乱してしまうのかなって。妹の代わりにもなれないし、きっと妹との距離も遠かったんだろうなと思う。でも、それはお姉ちゃんのワガママなんだと思います。忙しいという理由で全然コミュニケーションが取れていないとか、そういうので距離が遠かったのかなってすごく思いますね。本編で妹が姉の名前を出したことが一度もないんですよ、「お姉ちゃん」っていうワードも一言もないんです。だからそれくらい妹の頭の中にはお姉ちゃんというものにそんなに思い入れがないのかなって。それを行方不明になった後に必死に探すっていうのも、「おかしいんじゃないの?」って思いながら演じて、「そりゃあ妹のことを知らないよ君は」って思う部分もあります。物理的にも心的にも遠かったのかなって思います。

ーー出来上がった作品を見て、ご自身の感想はどんな感じでしたか?
さっきのお話じゃないですけど、「もっとお話ししなさい」「もっとコミュニケーションをとりなさい」と思ったし、すごくもどかしい気分になりましたね。自分の役は一人で苦しがっていると思って。もっと色んな人に助けを求めていたらきっと違ったと思うし、SNSの情報しか信じていないというかそればっかり目がいっていたので、もっと周りを見なさいとも思いました。けれどそれは自分にも言えることだと感じました。

ーー包丁を持つシーンは、どんな心境でしたか?
すごく怖かったです! 包丁は刃先が丸くて血が出るほどのものではなくて、でもそれを持って人に向けるっていうのもやったことがなかったので、冷静にはやったつもりなんですけど…自分にはできないです。…だからどんだけ彼女が頭が狂っていたかっていうのが表現できていたのかなっていうのが不安なんですけど。

ーーダンスのない作品をやってみて感想は?
自分の武器なしにお芝居をするっていうのはとても怖いことです。ダンスに頼っていた部分も少なからずあるので、それをなしにやったっていうことはとても光栄なことです。でもまだそこには満足できていないので、もっともっとダンス抜きでやりたいですね。女優業、もっともっと知りたいです、この世界を。もちろんダンスは大好きなのでやるんですけど、見たことがない世界を見たい。ダンスを外さないと見たことがある世界になってしまうので、女優さんという仕事もたくさんやりたいです。

ーー今回の見所を教えて下さい。
全体的な見どころは、悲しかったり辛かったり色々表情と表現があると思うんですけど、リアルに人が壊れていく様が見所だと思います。自分が演じた役ももちろんそうだと思うんですけど、大切だと思っていても友達や恋人や家族と話さないことには何もないので、わからないままだとすごく悲しいことだと思うんですよ。だからああやって独り狂ってしまうんだと思うんです。そこは見ている皆さんには、もっと自分なりでいいんですけど、大切にして頂きたいです。彼女のようにはならないで!と思いますね。

ーーちなみにお姉さんが行方不明になったらどうなります?
壊れちゃいます~。やだ~、お姉ちゃん大好きなので。絶対イヤですね。多分映画と同じで探すと思います。でもそうなったらお姉ちゃんの知らないことあるなって。

ーーこの映画は続きがあるんですかね?
あれば是非ともやりたいです!

ーー今後の方向性とか、目標は?
今後の目標とかやりたいことは特に無いんですよ。っていうのも、先ほどもお話したように見たことがない世界が見たいので、これぞっていうのはなくてただただ自分の知らない世界を見たいっていう目標がありますね。それを自分の中でどんどん制覇していって色んなことをやって色んな世界を見て色んなものを得てっていうのをやりたい。だから、これぞっていう目標はないんですよ。

 

 

 

あらすじ
中学を卒業してすぐに地元滋賀を離れ、ずっと東京に住むエイミ(鳴海唯)は、母親が亡くなった後も一人で滋賀の田舎で暮らしている妹・ユウ(河合優実)に、「東京で新しい人生を始めない?」と誘う。はじめは拒んでいたユウだがなぜか急に東京に来ることを受け入れ、一緒に暮らし始めるが、引っ越してきて早々、ユウは行方不明に…
そんな折、エイミは同じく妹が行方不明になっているヒヨリ(仲万美)と出会う。エイミに、地元の琵琶湖で若い女性の遺体が見つかったと警察から連絡がくるが、見つかった遺体はユウではなく、なぜかヒヨリの妹だった。再び巡り合ったエイミとヒヨリは、共に犯人を捜すことになるが思わぬ方向へ…

 

 

『偽りのないhappy end』

鳴海唯  仲万美
馬渕英里何 カトウシンスケ

監督・脚本:松尾大輔

配給・宣伝:アルミ―ド

2020 daisuke matsuo  2020年/日本/カラー/16:9/5.1CH/97分

公式サイト:https://itsuwarinonai-movie.com/
Twitter:@itsuwarinonai
Facebook:@itsuwarinonai
Instagram:@itsuwarinonai

12月17日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにてロードショー

 

 

 

☆仲万美
1992年6月15日生まれ。熊本県出身。
5歳からダンスをはじめ、20年以上のキャリアを誇る。2015年にはマドンナのバックダンサーとしてワールドツアーに約1年半同行。『チワワちゃん』(19)で女優デビューを果たし、舞台Rock Opera「R&J」では、ヒロイン・ジュリエット役に抜擢。その他、雑誌・広告・CM・MVに数多く起用されるなど、今後の活躍も期待される。

Twitter https://twitter.com/bambi_615
Instagram https://www.instagram.com/615_bambi/

 

 

取材 マンボウ北川
撮影・編集 記者J

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記者J

地球上すべての美しい女性を求め東奔西走。究極のヲタを目指す傍らで記事を更新なうwww

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