2022.10.20 upload
HKT48卒業後も完璧キュートな兒玉遥がシングルマザー役挑戦で新境地開拓!
人気アイドルグループ「HKT48」の1期生でセンターポジションも務め、卒業後は女優としても活躍中の兒玉遥が主演する映画『空のない世界から』が10月21日より公開される。シングルマザーが無戸籍の子供を育て小学校入学を前に様々な困難をのりきっていくという本作。今回、初めてシングルマザー役に挑戦するという兒玉がどんな心情で役に挑んだかなどのエピソードがご本人に聞けたのでご紹介する。
ーーどのような形で出演することが決まったんでしょうか?
兒玉遥 決まった経緯はとある映画の制作会社から、社会性のあるストーリーを兒玉さんで撮りたいっておっしゃってくださって、主演に選んでくださいました。オーディションはしてないです。
ーーなるほど。撮影はいつ頃だった?
兒玉遥 去年の9月でした。すごく暑かったんですよ、まだ。
ーー場所は埼玉とかなんですか?。
兒玉遥 埼玉か群馬か…、どこだったかなー。でもガチのラブホテルを貸し切って撮ったんで、スタッフとかラブホテルに住みこみでリアルに泊まって撮影してました。
ーーほとんど何もないところにラブホテルがどんって立ってる感じなんですか?
兒玉遥 すごい目立つ感じです。町の人はみんな知ってるみたいな場所らしいです。とにかく目立つので。
ーーなるほど。じゃあホテルの名前もそのままなんですかね?
兒玉遥 あーそのままですね。撮影中に普通にリアルで来ちゃう人がいて、ちょっと気まずかったですね(苦笑)。
ーー期間はどのぐらいだったんですか?
兒玉遥 すごいタイトでした。4日とかで撮ったんじゃないかな。確か。
ーー初のシングルマザー役に挑戦ということで、お話を聞いた時はどうでしたか?
兒玉遥 母親役、「自分でできるの?」ってちょっと半信半疑な部分はありました。やっぱりシングルマザーって独りの女性とはもう一歩先のステージにいる人ってイメージが強かったので、そこを演じきれるかっていう迷いはあったけど、女優さんとして絶対に自分の幅を広げられる機会になるって思って、オファーを頂いたからには演じきろうと思って引き受けました。
ーー監督さんが小澤和義さんなんですね?
兒玉遥 そうなんですよね。Vシネとか任侠系が多いイメージだったから、私もどんな方なんだろうってドキドキして読み合わせに参加したんですけど、めちゃめちゃ温厚で優しい方で安心しました。見た目とかめっちゃ優しかったです。
ーーしかもかなり難しいテーマかなと思いましたが、特に撮影現場で印象に残ってるようなことがあれば教えてください。
兒玉遥 スタッフもみんな仲のいい感じでアットホームな雰囲気で撮影できたので居心地が良かったなって思いました。やっぱり現場の雰囲気ってすごい大事で、撮影日の朝起きる時が楽しみになるぐらい現場が明るい雰囲気だったのでやりやすかったです。
ーー佐藤江梨子さんも最初はちょっと怖そうでしたけどね。
兒玉遥 初めてお会いしたんですが、テレビで私も何度も拝見したことがある女優さんなので、一緒に共演できたのが夢みたいでしたし、嬉しかったです。
ーー特に共演者で印象に残ってる方とかは?
兒玉遥 小澤仁志さんですかね。やっぱり迫力がすごかったです。強そうで! でも現場ではすごいお茶目ですごいチャーミングな方でしたよ。
ーー小澤監督らしいこだわりとかアドバイスとか、そういうのはなにかありましたか?
兒玉遥 本番撮影に入る前に数回ディスカッションの日を作っていただいて、そこで役のすり合わせみたいなものをたくさんお話できたので、それのおかげで現場には自信を持ってすんなり入れたかなって思います。常に元気づけてくださるっていうか、兒玉ちゃんが思ってるまま演じればいいよって安心させてくれる言葉をかけて下さったから、最初オファーを頂いてた時の不安っていうのはしっかり取り除いて撮影日に挑めました。
ーー子供役のつむぎちゃんはどうでしたか?
兒玉遥 つむぎちゃんはすごい可愛かったです。本当に最初はつむぎちゃんもモジモジしてて、緊張してあまりしゃべってくれなかったんですけど、私から話しかけるとすごい心を開いてくれて、最後の方はもうすごいペラペラと色んなこと教えてくれたので楽しかったです。
ーー 母親もいいかなみたいな感じになりましたか?
兒玉遥 なりましたなりました! 今まで結婚願望もなかったし、出産もしたいっていう願望が薄いタイプだったんです。仕事が楽しいし、自分の人生を謳歌したいみたいな、ひとり最高みたいな気持ちだったんですけど、今回この役を演じてみたり、私も25歳で20代後半になるってことで、少しずつ考えが変わってきましたね。子供って本当に素晴らしい存在だなって思えるようになったし、絶対に生まれてきたら愛おしいだろうなと思えるようになったから、結婚も出産にも興味が湧くようになりました。やっとですけど(笑)。
ーーがっつり泣くシーンがあるじゃないですか、あれは自前の涙なんですか?
兒玉遥 もちろんですよ、自前だし、一発でオッケーが出ました! あのシーンを撮り終えた時に、しっかり入り込めたんだなあっていう確信を持てたのがすごい嬉しくて、女優としてその感覚を味わえる瞬間って、今までそこまで感じたことがなかったから、自分的には想い出に残るカットがかかった瞬間でしたね。
ーー今まで泣きでがっつりみたいなのはなかったんですか?
兒玉遥 なかったです。今回初で一発OKだったから自信になりました。
ーー走ってるシーンが結構長い尺で使われますけど、あれ、結構速くなかったですか?
兒玉遥 けっこう速かったです。しっかり走って、めっちゃ走らされました。畑みたいなところとか(笑)。
ーー何テイクぐらいだったんですか?
兒玉遥 10回ぐらいやったんじゃないかな。とにかくいろんな場所を走りましたね。
ーーそこは小澤監督がかなりこだわった部分では?
兒玉遥 走るシーンはこだわりたかったんだと思いますね。
ーー元旦那の車がギュッて来て、もう私は関係ないのよみたいに言うシーンはどんな気持ちで?
兒玉遥 あそこはもう吹っ切れたというか。麻衣香って女性が独りでこのコを守って生きていけるっていう覚悟を決めた瞬間になるシーンなのかなって思って演じました。ずっと誰かから逃げたり、自分にとってのトラウマが元旦那だったので、そういうのに怯えたり苦しんだりするのをやめるっていう決意も込めて、「もうあんたなんかいらないから」っていうシーンだったのかなと思います。あそこのシーンからはすごい自分的にも今までの暗い自信のない表情よりは一歩前向きになった感じを表現できるようにっていうのを意識してましたね。
ーー車の中での踊り、振り付けされてるんですか?
兒玉遥 あ、そうなんですよ。やりました。事前に曲をいただいていたので、それに音ハメで自分でインカメラでビデオ撮って、つむぎちゃんに送って覚えましょうみたいになってたみたいです。
ーー仕上がりとしては?
兒玉遥 仕上がりとしては、覚えやすくていい感じになってるんじゃないかなと思いますね。
ーー可愛かったです。
兒玉遥 ありがとうございます。
ーーホテルで働いてるっていうことで、ベットメーキングとかガラスを拭くとか練習されたんですか?
兒玉遥 練習しました。プロっぽく。窓ふきは小澤監督が教えてくれて。アイドル時代の経験が活きてて、1回見たらだいたいコピーできるんです、動きを。だから褒められました!
ーー改めて今回のご自身のみどころと、あと映画全体のみどころをできればそれぞれいただければ。
兒玉遥 映画の見どころとしては、主人公の麻衣香が娘を守るためにいろんな経験を経て、周りの人からも助けられながら、一人の女性として一歩成長して行く過程を見てもらいたいですし、“一歩踏み出す勇気”がこの作品は現実的に描かれていると思うので、そういったところに注目して観てもらって、観終わったあと、誰かの背中を押せるような作品になっていたらいいかなと思います。自分の見所としては、アイドルを卒業して初主演っていうことで、いきなり母親役っていうガラッとイメージの変わった役ですけど、本当に自分にとっては新境地となった役だと思うのでぜひぜひそこにも注目してもらいたいです。
ーーどうですか? HKTを卒業してからここまで来ましたが。
兒玉遥 アイドルの経験が今に活きていることがすごく多くて、応用編みたいなところあります。歌もダンスも表現は違うけど似てる部分も多かったりするから、人を見て真似する能力とか誰かを覚えるみたいな作業がすぐできるので、アイドル時代に培ってきて良かったなと思いますし、アイドルの経験があったから、今もうこうやって活動できているなって感覚はすごくあるので、あの時の経験を生かして強みにして、これからも女優業頑張りたいなと思ってます。
ーー特に今年から女優業にアクセル踏んだかなみたいな感じはありますか?
兒玉遥 ずっとアクセルは踏んでるんですけどね(笑)。あとはオファーがかかれば何でもやりますっていうスタンスで!
ーー改めて今後の野望があれば教えてください。
兒玉遥 いろんな役を演じたいのと、何があるだろう野望…。息の長い女優さんになりたいです。来年すぐこういう作品に出たいとかじゃなくて、本当に好きで楽しいことでやれてるのが奇跡かなと思えているので、そういった今の現状に感謝しながら、ずっとこの仕事を続けていきたいとう思いが強いです。40歳、50歳になったとしても、しっかり良い歳をとって女優を続けていきたいなと思ってます。
ーーいわゆるタレントとか、あるいは歌を歌いたいとかいう気持ちはあんまりないですか?
兒玉遥 機会があればやりたいです。声優さんではないですけど、アニメの吹き替えとかもやってみたいし、歌も機会があればやりたいって思いもあります。お芝居だけでずっとやっていくとは思ってなくて、表現方法としてお芝居が今一番楽しいけど、歌ったり踊ったりするのもすごく好きなので、枠を決めずに活動して行きたいなと思ってます。
ーーで、一応メインは女優さん。
兒玉遥 はい! そういったスタンスですかね。
ーーYouTubeもちょこっと見ましたけど、これからどうしていきたいとかありますか?
兒玉遥 Youtubeは自分が本当に自由に表現できる場所なので、お仕事とはまた違った楽しさがあるから、のびのびと楽しく自分の好きなことをリアルに発信できたらいいかなって思ってます。楽しいですよ。ユーチューバー(笑)。
ーーグラビアはどうですか?
兒玉遥 前回『週刊プレイボーイ』さんでやらせていただいた写真がすごく好評でした~!!
ーー久しぶりでしたか?
兒玉遥 久しぶりでした。グラビアっていうグラビアは。でも、20代のうちがきっと一番若さといった部分ではきれいな時期だと思うので、今のうちに残せるだけ残しておきたいなって、もし子供ができたら「お母さん綺麗」でしょって言えるように自分磨きを頑張ろうって感じです。
ーーじゃあそちらも期待して大丈夫?
兒玉遥 大丈夫です。期待してください。
ーーありがとうございます。
あらすじ
大きなお腹を抱え、痛々しい傷を負った麻衣香(兒玉遥)が、夜道を必死に走る―。
DVを受けた旦那から逃げ出してきた麻衣香が辿り着いた場所は、郊外にポツリと佇むラブホテルであった。
北岡さん(窪塚俊介)に助けられ、住み込みで働きながら娘のさくら(つむぎ)を育てて早7年。麻衣香は娘の存在を誰にも知らされないようひっそりと暮らしていたが、さくらが小学校に通う年齢になり、さくら自身も小学校入学を待ち望んでいる。しかし戸籍を取得しておらず、麻衣香はさくらにど うしてあげたらいいのか分からない。そんな時、彼女の背中を押してくれたのは、世の中から「必要ない」とされている人々であった―。
兒玉遥
つむぎ 佐藤江梨子 上村侑/根岸季衣
窪塚俊介 本宮泰風/小澤仁志
監督:小澤和義
脚本:梶原阿貴 音楽:吉川清之
製作:人見剛史 エグゼクティブプロデューサー:鈴木祐介 プロデューサー:角田 陸 神崎 良 佐久間敏則 協力プロデューサー:見留多佳城
撮影・照明:今井哲郎 美術:早坂英明 録音:水 嶋 優太 編集:恒川岳彦 助監督:須上和泰 衣裳:片柳利依子 ヘアメイク:結城春香
制作プロダクション:G ・カンパニー 配給 ・宣伝 :ライツキューブ 宣伝 協力 :キグー 2 021 6 7 分 /DCP/シネマスコープ/ステレオ ©2021 ライツキューブ
2022年10月21日(金)~シネ・リーブル池袋 ほか全国公開
☆兒玉遥
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取材 マンボウ北川
撮影・文 記者J