2023.03.17 upload

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10年ぶりの長編映画でもなお輝き続ける宮澤佐江の魅力満載!

AKB48元メンバーで、所属中からも映画・舞台などで活躍してきた女優・宮澤佐江がヒロインとして出演する映画『犬、回転して、逃げる』が3月17日から公開されている。サスペンスフルに展開するストーリー、その真相を犬の視点で捉えた異色のサスペンス・コメディが登場。とにかく可愛い過ぎるマメシバ・天然くんの“白熱の演技”に誰もが癒されること請け合い。犬映画の系譜に新たなるページが書き加えられた。約10年ぶりの長編映画出演となる宮澤佐江に、ミュージカルや舞台とはまた違った魅力を感じられることになる本作についてインタビューで裏話が聞けたのでご紹介する。


ーーなんとも不思議な映画でしたね。今回の映画はどういうふうにして出演することが決まったんでしょうか?
宮澤 コロナ禍での撮影でもあったので、本当は違う作品を撮影する予定があったんですけど、その撮影がなくなってしまって、そのことをマネージャーさんから聞いた翌日に突然オファー出演のお話しが来た作品なんです。「舞い降りてくる」みたいな言葉あるじゃないですか。まさに救われた作品だったというか、スケジュール的にも本当にちょうど空いていた中で撮影ができたこともありましたし、久しぶりに映像のお芝居をじっくりさせて頂けました。もちろん大変だったところもあったんですけど、やっぱお芝居って楽しいなあっていうのを再確認させて頂けた映画だったので、演じれてよかったなあと思ってます。

ーー撮影の時期はいつごろでしたか?
宮澤 2021年の9月でした。

ーー髪が短かった時期ですね。
宮澤 ショートカットだったんですけど今は伸びました。

ーーAKBの初期の頃は取材に行ったりとかもしてたことがあったり、えっと、囲みの中の後ろの方から。
宮澤 そうなんですね! それはイメージがなんかちょっと違うって思ったりしますよね。今と昔とでは。

ーーショートカットのイメージが強いので、ちょっと髪の毛伸ばした感じで、ドラマとか出られた時は一瞬わからなかったです。
宮澤 本当ですか? でも確か今回の映画のプロデューサーさんにオファーをもらったのは、ちょうど2021年夏に久しぶりに髪の毛をショートカットに切った時なんですよね。警官役ということもあったので、ちょっとボーイッシュというか、髪の毛の短い子を探してた時に、私が髪切りたてのプロフィール画像が出てきて。「あ、宮澤佐江ちゃんに声かけよう!」って思って声かけて下さったみたいなので、髪を切ったタイミングと、違う作品がなくなったタイミングっていうものが重なって今回出演できたっていう感じですね。

ーー割と以前の宮澤さんのイメージにピッタリはまってるような感じに見えました。
宮澤 確かに髪の毛が長かったら出てなかったかもしれないですね…。

ーー役柄について教えてください。
宮澤 「早く世界が終わって欲しい」ってずっと思い続けてる警察官の役で、不思議な設定なんですよね。刺激的な日々を送ってなかった自分の生活に何か刺激が欲しいなってずっと思い続けていたり、淡々と仕事をこなして言われたことをやって、自身のやりたいこととか興味とか意志っていうものが欠けてきてしまっていて、生きる意味ってなんなんだろうっていうのをすごく考え始めている女性という役柄です。

ーー泥棒さんが部屋の中入ってきて、なんか下着が水着のようにかけてあったりとか不思議な人だなって、あれは何か意味があるんですか?
宮澤 それが、全然わからないんですよね。

ーーで、実際、部屋であんな風にされている?
宮澤 しないしない! あんな可愛い下着着ません。

ーーなんかそのインパクトかなり強かったですけどね。
宮澤 そうですよね。なんかこう下着の中をこうやって…。可愛いシーンの一つですけど。

ーー実際に撮影のときの特に印象に残っている、大変だったなとか頑張ったなとか、そういうような思い出は?
宮澤 役どころ的にも別に難しいなって思う役ではなかったので、“役作り”の苦労はなかったんですけれども、少なかったです。ただ、ロケが多かったりもして、ロケ先で周りが工事中だったりとか、風が強すぎて風の音が入っちゃって、もう一回撮り直しとか、突然雨が降ってくるとか、突然散歩中の犬が吠え始めるとか、道路の近くで車がビュンビュン通ってその音でもう一回撮り直しとか。かなりそういうタイミングの悪い事が多々あったので、「さっきの芝居の方がうまくできてたのに」みたいことがあったのが一番大変でしたね。

ーー特に監督さんからこういうことに気をつけてとか、心掛けてとか、そういうのもあったりするんですか?
宮澤 監督からは“こういう演技プランで”っていうことは、特に指示を頂いていたわけではなかったんですけれども、撮影の前に顔合わせをさせて頂いた時に、フランス映画の『アメリ』のような、ちょっとシュールなコメディを作りたいっていう風に聞いたので、感情があまり表に出ないようなお芝居っていうのは、すごく心掛けて作りました。

ーー犬さんが大活躍でしたが、犬さんはどうでしたか?
宮澤 犬がちゃんと芝居をしていたことに感動しました。犬の集中力が限られていたりもするので、ワンちゃんのスケジュールに合わせて人間が撮影をしてたっていう感じで、犬が主役でした(笑)。

ーードッグトレーナーさんがちゃんといて。
宮澤 そうですね、担当のトレーナーさんがずっとついていました。わたしもお家でワンちゃんを飼ってたりもするので、扱いには慣れていたんですけど、自分ちのワンちゃんよりしつけがちゃんとされてるからお利口さんで、安心して一緒に撮影ができてました。

ーー警官の制服を着ているシーンがあんまり全身が映らなかったのはなんか理由があったりするんですか?
宮澤 いやいやいやいやいや、多分カメラワークの問題だと思います(笑)。

ーーそうなんだ。下はスカート?
宮澤 スカートをはいてました。

ーーそこもよく分からない。引きの画も幾つかあった気がしましたけど。
宮澤 見直してみてくださいね!

ーーご自分の警官の制服姿はどうでした?
宮澤 アイドル時代も着たことあったんじゃないかな。本当に色んなお衣装を着させて頂いてたので、警官の服を着たからといって、なんか新しい気持ちが芽生えたとかっていうのは特になかったですね。

ーー一日警察署長とかそういうのはやったことあります?
宮澤 やったことあります! じゃあ着たことあります、やっぱり。

ーー酔っ払ったときの動きっていうのは、もちろん、最初から決め打ちというかそうしましょうって決まってたもんなんですか?
宮澤 映画でのナレーションでもあるように、「酔っ払ったときに冷たい床にほっぺたをくっつけるのが好き」とか、「床をこう泳ぐのが好き」とか謎のト書きが台本に書いてあって、それがどういう意味なのかわからず、とりあえず現場でやってみたら、監督が「それ面白いからそれを生かしましょう」みたいな感じに言ってきてくださって。

ーー床で背泳ぎのような動きみたいな。面白かったです。
宮澤 本当ですか?(笑)。

ーーそれは大変じゃなかった?
宮澤 生きてきて一度もあんなことをやったことないんですけど、ト書きに書いてあったんでこういうことかなと思ってやってみたら、なんかOKもらいました(笑)。

ーーなかなかいい感じで頭をぶつけて。
宮澤 そうそうそうそう、頭もねしっかりぶつけて。

ーー共演者さんとのエピソードは?
宮澤 主演の長妻怜央くんとはクランクアップの日に一番喋ったかなあっていう感じだったんですよ。でも彼は本当に気さくな子で、演者にもスタッフの方にも本当に愛されて好かれる性格を持っている方なんだなあ、天真爛漫とはこういうことを言うんだなあって、人間として私自身見つめ直させてもらえました。素敵な子でしたね。

ーーこの映画の見どころは?
宮澤 主人公の木梨は自分の愛犬がいなくなってしまい、生きる意味を失う、で、私の演じる眉村は日々淡々と過ごしている刺激のない日常に飽き飽きして「早くこの世界が終わればいいのになあ」と生きる意味を無くしてしまっているというように、違う方向性ではあるんだけど、“生きる”って何なんだろうっていうのを考えている二人が主軸となっていきます。人間誰しも生きるって何だろうとか、なんで生きてんだろうって、ふとした時に日常でも考えることって多いと思うし、ほんの些細なこととか、ちょっとした出来事に自分の生きる意味を改めて考えさせられたりとか、パワーに繋がったり前向きな気持ちにさせてもらったりっていうことがあると思うので、そういうよくある日常をコメディタッチでお届けしている映画になっていると思います。ちょっと背中を押してあげられるような作品になっていればなあって思います。

ーー特に宮澤さんの役で注意してみてほしいポイントとかありますか?
宮澤 狙いすぎるものよくないのかなと思ったので、案外さらっと普通にお芝居をさせてもらっています。それを面白いコメディに仕上げて頂いたので、ぜひそういうところにも注目して頂けたら嬉しいです。

ーー今後の活動や方向性みたいなことをちょっと頂きたいんですけど。
宮澤 ありがたいことに、今年はミュージカルだったり、舞台が立て続けに決まっていますので出演が続いています。

ーーミュージカルが多いですよね。
宮澤 そうなんですよね。ありがたいことに、自分も観るのもやるのも好きなのですごく嬉しいんですけど。でも、やっぱり映像作品っていうものに憧れて芸能界っていうところを目指して入ったので、映像のお仕事っていうのも、これからもっともっとチャレンジして行きたいなと思います。私は、「演じる」っていうか「役を演じる」っていう言葉があまり好きじゃないので、自分のモットーとしては「本当に役になりきって、その人になって生きる」っていうのをこれからも意識して役者さんとしてやっていけたらいいなって思ってます。

ーー映像作品としてやりたいシチュエーションとかってあります?
宮澤 ちょっと悪い役とかやってみたいですね。悪女とか、久しぶりにヤンキー系もやりたいです。アイドル時代に一度ヤンキー系のドラマ『マジすか学園』をやらせていただいたことがあって、自分の中ではあの作品がきっかけでちょっと人気が出たんじゃないかなって思っている部分もあります。大人になればなるほど言葉遣いにも気を付けたりして生きているので、久しぶりにストレス発散がてらちょっと悪い役をやってみたいなと思います。

ーー髪の毛の長さは今後どうなっていく予定ですか?
宮澤 今ぐらいをキープできたらなあと思うんですけどね…。どうでしょうか。

ーーショートもいいなとずっと思ってますよ。
宮澤 長くなるとショートにしたくなるし、ショートにすると長くしたくなるんですよ(笑)。
ーーありがとうございます。

あらすじ
カフェ店員の木梨栄木(長妻怜央)は、実は「泥棒」という裏の顔を持つ青年だ。彼が今回のターゲットに定めたのは、1日でも早く世界が終わることを願う婦人警官の眉村ゆずき(宮澤佐江)。彼女の部屋に忍び込み、現金の入った封筒の中にみつけた「ずっとお前を見ているからな」という手紙にドキっとするも、難なく“仕事”を終える木梨。

しかし、ある日、バイトを終えて自宅に戻った木梨は愛犬の天然くんが見当たらないことに気付く。果たして、木梨は天然くんを奪還することができるのか。

 

長妻怜央(7ORDER) 宮澤佐江
なだぎ武 中村歌昇 三戸杏琉
小坂涼太郎 ワタリ119 仁科亜季子/登坂淳一

脚本・監督:西垣匡基
配給宣伝:アイエス・フィールド
企画・製作:TUFF STUFF
2022年/日本/カラー/82分/ビスタサイズ/5.1ch/G
Ⓒ2023映画「犬、回転して、逃げる」製作委員会
2023年3月17日(金)よりシネ・リーブル池袋、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開中

公式サイト http://is-field.com/inukaiten_movie/index.html
Twitter https://twitter.com/inukaiten_m

 

 

☆宮澤佐江(眉村ゆずき 役)
1990年、東京都生まれ。2006年に「AKB48」に加入。「SNH48」、「SKE48」を経て2016年にグループを卒業。AKBグループ時代から映画、TVドラマ、舞台にと俳優として活動を開始、2016年のミュージカル『王家の紋章』以降、『ピーター・パン』(17年~19年、21年)、『ウエスト・サイド・ストーリー』season2(20年)、『キングアーサー』(23年)などミュージカル作品への出演多数。昨年はテレビ東京「ウルトラマンデッカー」など活躍の場を広げている。

公式プロフィール https://www.horipro.co.jp/miyazawasae/
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ヘアメイク 伊藤里香
スタイリスト 藤井エヴィ

 

 

 

インタビュー マンボウ北川
撮影・文 記者J

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記者J

地球上すべての美しい女性を求め東奔西走。今で言う推し活をむかーしから実践していた漢

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