2021.04.22 upload
不思議な空気感が展開される中で石川瑠華が感じたこととは?映画『stay』23日公開!
人気若手女優一番手といえる新人女優・石川瑠華が出演する映画『stay』が公開間近となっている。映画『stay』は第17回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭短編部門優秀作品賞に選ばれた作品で、空き家を勝手に占領している住人たちと彼らを退去させに来た若い男が織りなすストーリー。そんな映画『stay』で石川が感じたことをインタビューすることができたのでご紹介したい。
ーー女優さんを始めるきっかけは?
大学に入った時に自分のやりたいことが見つからなくて、一歩外に出るきっかけになったのが偶然開催されていたワークショップで、興味本位で、そこまで女優になりたいという気持ちは強くなかったんですが、違うことがやりたいというのが大きくて。そのワークショップに行ったら、演技というものが全然自分の思っていたことと違って、違うところで心を動かされ、この人についていきたいなっていう人も見つけて、そこで演技を始めようって思いました。
ーーそれがいつくらいですか?
20歳くらいなので、3年前くらい。
ーーモデルさん的なこともやられていた?
写真を撮られるきっかけにもなるし、資料的にもなるからサロンモデルをやっていたぐらいです。
ーー具体的に演技のお仕事を始めるきっかけは?
一番最初に出演したものはまだ公開されていない『暗黒』という映画で、藤井秀剛監督でオーディションを受けました。まだ公開されていないんですけど、それが一番最初で、ヒロインでした。
ーー他に代表作は『イソップの思うツボ』ですね
そうです。主演をやらさせて頂きました。オーディションで決まりました。無事公開しています(笑)。
ーー今回の作品はいつぐらいに撮った作品ですか?
2年前くらいの冬に撮った作品です。2月くらいかな。
ーー役はどうやって決まった?
これは藤田直哉監督の方からオファーを頂いて、顔合わせみたいなのがあって、決まりました。
ーー作品を見させて頂いて、色々不思議で、なぜここに集まっているのかなとか、役所から来ましたっていう人も怪しいなって思いました。迎えが来るっていって来ないし。マキはどういう人なのかについては、わからなくてもいいのかもしれないですけど、「なぜここにいるのかも忘れちゃった」みたいなセリフしかなかったと感じたのですが…
私の中でマキは、暮らしている家の外の世界で家族とかと暮らしていて、私の中の解釈ではマキっていう名前も偽名だと思うんです。歳もハタチとかで、色々違いを感じて葛藤とか悩みがあって、逃げ出す場所っていうか違うところに行きたいっていうのをすごく思っていて、逃げ出すというよりも進んでいく為の場所があの家だった気がして、あの家で自分を新しい自分にしたいって思って来た人だと思います。あの家でもマキを演じているような感じにしようと思いました。過去のことも消化が出来ていないので、自分の中で、人に笑い話でも何でも話せない、触れられたくないんだと思います。忘れたって言っちゃうのも、話したくないっていう意思だと思う。
ーーどうやって集まってきたか不思議ですよね
あの空き家も、田舎にあって、偶然に見つけたっていう設定だと私も思っていました。すごい偶然だなって思いつつ、都内とかで住んでいて嫌になって田舎に行く、そこで偶然見つけたくらいにしか思えなかったんです。ネットでああいう空き家って見つからないと思っていて、その場で人に会ってこういう人が住んでいて、自分の中で進化できそうだなって思ったから住んだのかなって思っていました。
ーーちなみにあの家はどんなところにあったんですか?
都内から離れていて、周りも山に囲まれたところにありました。ぽつんと。実際に古民家を改修されていたところで、監督たちがその家に行ったことからこの映画の企画も始まっています。
ーー障子を貼っているシーン。リーダーの鈴山は、人に貼らせたりしてましたが…
自由に生きて何でもしていい場所だけど、人と暮らしているとどう思われたいとか、この家で自分は何の役割をしたいとかが表れていると思います。
ーー映画の中の鈴山は自分勝手だなって思いましたが。
鈴山さん役の菟田高城さんとは撮影前のリハーサルとか本読みで何度も話し合いをして「俺はこう思っている」「私はこう思っている」「この先のテーマはなんだ」っていうところを何回も監督とかと話し合いをしました。鈴山とマキはどっちもうまくやろうとして自分の意見を言っているのに結果上手くいく方向にはなっていない、塩梅がうまくとれない二人。仲いい時は仲いいと思うんですけど、ぶつかるときはとことんぶつかる人達だなっていう。頑固者同士だなって思います。
ーーこの作品の見所、マキのポイントは?
完成した映画を観たら、私が撮影当初思っていなかったテーマもたくさん含まれていて、色んな解釈ができるのがこの映画です。自由な場所に見えて不自由であるという違和感とか、キャラクターを深堀しつつもテーマは家であって、見所がたくさんありますね。マキは若いコが見ても歳が離れた人から見ても不思議な子だと思うんですけど、たぶんちゃんと自分を変えようと思ってここに来て、自分じゃないマキっていう自分を演じているっていうのは、(シェアハウスという特殊なコミュニティでなくても)普通の生活にも通ずるんじゃないかなって…、一番普通な人な気もしていて、近い存在に思って頂けたらうれしいなと思います。
ーー役場から来た矢島さん(山科圭太)に好意的だったように見えたのは気のせい?
最初は恋愛!?みたいなのを入れるかどうかを議論していて、結局却下されたんですけど、人としての好意は持っていると思います。この人が言っているのも正論なのもわかるし、人に心を開きたいっていうのからまずはやってみよう、まずは開いてみようっていう想いで心を開いているのかなと思います。
ーー今後の野望は?
自分がいいなと思う作品に関われたら、それだけで自分の生きる糧にもなりますし、これから先も頑張っていこうという力にもなると思うので、色々な作品に出演したいですね。あと、自分でもやりたいテーマの作品を見つけて、自分で発信できたらいいなと思います。ある意味自由な時代でもあると思うので。
ーーありがとうございました。
あらすじ
とある村の持ち主のいない古い空き家。ここは誰もが寝泊まりし、出ていくことが可能な場所。ちょうど吉田(山岸健太)が去ろうとしているところに、村の役所から派遣された矢島(山科圭太)が、不法に滞在する5人に退去勧告を言い渡しにやってくる。
長期滞在しているマキ(石川瑠華)が「前にも何人も来たけど、結局追い出せてないから」と予言したように、矢島は、リーダー格の男・鈴山(菟田高城)のペースに巻き込まれ、立ち退きを説得できないどころか、サエコ(遠藤祐美)の提案でその家で一晩を明かす羽目になり…
『stay』
[キャスト]
山科圭太 石川瑠華 菟田高城 遠藤祐美
山岸健太 長野こうへい 金子鈴幸
[スタッフ]
監督:藤田直哉
プロデューサー:井前裕士郎 脚本:金子鈴幸
撮影:井前隆一朗 照明:中田祐介 録音・整音:坂元就 美術:中村哲太郎
音楽:関口諭 ヘアメイク:石松英恵 スチール:柴崎まどか 助監督:山本英
プロダクションマネージャー:大塚安希 撮影助手:関瑠惟 照明助手:松島翔平
美術助手:清水夏海 美術助手:山田祥子 宣伝デザイン:内田美由紀(NORA DESIGN)
製作:東京藝術大学大学院映像研究科 助成:芳泉文化財団助成作品 配給:アルミード
©東京藝術大学大学院映像研究科 2019 / 日本 / カラー / シネマスコープ/ DCP/ 39min
公式サイト:stay-film.com
公式ツイッター: @stay_film2021
公式Facebook:@stayfilm2021
4月23日(金)よりアップリンク渋谷ほかにてロードショー
4/23金 14:50—15:31
【予告2分】【上映後トークショー】登壇者:山科圭太、金子鈴幸、藤田直哉監督(約15分)
4/24土 15:00—16:01
【予告2分】【上映前舞台挨拶】登壇者:山科圭太、石川瑠華、藤田直哉監督(約15分)
4/25日 18:05—18:46
【予告2分】【上映後トークショー】登壇者:菟田高城、遠藤祐美、藤田直哉監督(約15分)
座席予約は下記URLから!
https://shibuya.uplink.co.jp/movie/2021/58420
◆4月26日(月)以降の上映回
4月23日(金)中に上映スケジュールならびにチケット販売スケジュールの発表を予定しております。
石川瑠華(いしかわ・るか)
1997年3月22日生まれ。埼玉県出身。
17歳から女優としての活動を開始。上田慎一郎監督らの映画『イソップの思うツボ』(2019)の主演に、オーディションで抜擢される。主演作『猿楽町で会いましょう』(2019)は東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門に正式出品される。主演作『ビート・パー・MIZU』(富田未来監督)で、MOOSIC LAB2019短編部門 最優秀賞女優賞を受賞。2020年8月ドラマ「13」では、初連ドラにて、主人公の妹・千帆役を好演。今後が期待されている。
公式プロフィール https://www.sma.co.jp/s/sma/artist/561#/news/0
Twitter https://twitter.com/ishikawaruka322
Instagram https://www.instagram.com/___rukaishikawa/
ヘアメイク 石松英恵
取材 マンボウ北川
撮影・編集 記者J