2021.10.21 upload

芋生悠の旨味を凝縮させた役に見惚れることウケあい、映画『ひらいて』22日公開!

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最近ではボートレースのCMでもお馴染みの女優・芋生悠が出演する映画『ひらいて』が公開間近だ。主人公の愛(山田杏奈)の片思いの相手、たとえ(作間龍斗)の彼女である美雪を芋生が演じている。愛の様々な仕掛けに撃沈してしまう美雪であるが、美雪の懐の深さがこの映画の鍵となっている。そんな芋生にインタビューができたのでご紹介したい。

ーーまずオーディションの雰囲気と脚本の印象についてどのように感じられましたか?
オーディションの時は、杉田プロデューサーとか首藤監督がいらっしゃっていて、台本の中の台詞を抜粋して演じました。監督とは初めましてで、まだお話したこととか無かったので、どんな方なんだろうな、ご一緒出来たらいいなあと思ってました。台本を事前に読ませて頂いていたので、小説の方も読んでいて、自分に美雪っていう役が合うのかな?という不安もありながらオーディションに挑みました。

ーー小説とかも読んだうえで、美雪という役でオーディション?
そうです。

ーーオーディションは台本の抜粋でセリフを言ってみる、どこかのシーンをやってみるという感じ?
橋の上のシーンで愛ちゃんに「目が暗い」と話すところがあって。大事なシーンだったので、小説を読んでイメージを膨らませてみたいな感じで。

ーー元々オーディションをやってみたい、この役をやってみたいと思ったきっかけは?
今の年齢でぎりぎりというか、まだ色のついていない部分みたいな透明な部分を最後に残せる場所でもあるのかなと思って、やってみたいなと思いました。

ーー美雪に共感した部分は?
私は割と愛ちゃんにずっと共感していて、無我夢中だから周りが見えなくなって路頭に迷っていることにも自分が気づいていなかったり、わからないっていうことがバーっとあったりするところが、わかるというか。誰かに助けてもらいたいんだけどそんなことすらできなくて、自分のことも愛せないしどんどんボロボロになってしまうところがすごくわかるなって思いながら台本を読んでいて。ネットに上がっている感想を見ると「愛の行動が理解できない」みたいに書いてあって、それもわかるんだけど私は割と共感していて、逆に美雪がやりやすくて。愛ちゃんのことをすぐ傍で見ている子なので、理解しているっていう面ではすごくいいなと思いました。

ーー美雪を実際に演じてみてどうだった?
美雪はすごく柔軟というかバランスが取れている子だなと思っていて。自分で自分を満たすことができる子で、学生にしては達観している部分もあるなと思って、監督と話している時も、美雪は私にとっておばあちゃんみたいな雰囲気に見えましたって伝えました。お母さんとはまた違って柔らかい愛で人を包むことができるような人だなって思っていたので、すごく素敵な女性だなと感じていました。演じてみて、思ったよりもすごく芯のある子だなって思いました。実態がないミステリアスな子のイメージがあったんですけど、もっとしっかり肉付きや存在感があってみんなが気になってしまうというか、目立たないようにしているんだけど、気になってしまうみたいな女の子だなと思いました。

ーー愛に迫られてもすんなり受け入れたのはどういう心境?
美雪はなかなかの曲者だと思います(笑)。だからか、初号試写で見たら、愛ちゃんが突飛な行動をしているように見えるけど美雪もなかなかそういう面では面白い子だなって思って。たとえ君とすごく良い関係でいるんですけどこれから先の美雪ってわからないなって、本当に自由に生きている子だから、今愛しているから、今だけを見ているというかしっかり今を見ている感じかなと思いますね。

ーー冒頭でジュースを口移しするシーンがありますよね、あのシーンの時から何かを感じているんでしょうか?
そうですね、美雪はずっと意識していると思います。

ーー美雪のかなりな落ち着き方はなぜでしょう?
小説の中でそこが印象的で。病気を自分にとっては荷が重くて抱えきれなくなって、自分を責めてしまっていたり苦しい思いをしているからこそ、そこを乗り越えて自分を愛してくれている家族に感謝しなきゃいけないなって、年齢が早い段階で思えているので、愛ちゃんをすぐに受け入れられるのかなって思いました。

ーー病気に関しては調べたりされたんですか?
監督が事前に資料を見せてくれたりとか、注射器があるので注射器を事前にお借りして練習したり、実際にちょっと刺してみたり、刺し方の練習をしました。

ーーそこからも彼女の性格形成を考えていった?
ずっと付き合っていかなきゃならない病気なので、これが続くのかと思ったらすごく辛いだろうなとは思いました。そこへの忍耐力みたいなのを持ち合わせている子だと思うので、愛ちゃんがめちゃくちゃなことを諦めることなくやっている姿を見ると、良い悪いではなくて、その忍耐力があるんだなっていうことに感心するなって思いました。

ーー純粋に美雪は愛ちゃんのどういうところに惹かれて一緒にいるようになったのか。
一番近くで肌を触れ合わせていたりするので、言葉を交わしていなくても触れている体温とか伝わってくるものがあるなって思っていて。愛ちゃんが寂しさを感じとって、そこから気になって守りたい存在となってだんだん愛情に変わっていったんじゃないかなって思います。

ーー撮影をしていく中で、印象に残っているシーンはありますか?
カラオケのシーンかな(笑)。あそこは、事前に首藤監督と2人でカラオケに行って、「初めて友達とカラオケに行った時の緊張感でやって欲しいです」と言われました。首藤監督と初めてカラオケに行って本当にどきどきしながら歌って、それを首藤監督がカメラで撮影していて、こんな感じで行きましょうということに。早々にそう決まったので、その後は普通に私だけずっと歌ってました(笑)。

ーーあの選曲は首藤監督が選んだ曲?
そうです。

ーー首藤監督との打ち合わせで印象に残っていることとかあったら教えて下さい。
首藤監督は常にクールというかか感情を取り乱さない方でしたね。最初から丁寧に説明してくれて、美雪は芋生さんだと思ったからと仰ってくれて、すごく信頼してくれてるんだなっていうのが感じられたので私も信頼して挑みました。現場でも本当に落ち着いていて、移動中の車で杉田プロデューサーから首藤監督は大学時代からこの作品を映画化したいってずっと計画を練っていたというのを聞いて、一大事なのにどうしてこんなに落ち着いていられるんだろう?、かっこいいと思って、よりリスペクトが増して力になりたいなと思いながら演じました。

ーー同年代の方が監督として中心に立っている、その姿を見てどんな思いを?
とても嬉しいですね。同年代の監督って、割と最近は出てきていたりするんですが、ちゃんと実現させているというかこの映画の為にどれだけ準備してきたかというのはわかるので、監督にとっての一番大事な映画になるんだろうなって思っていました。

ーー芋生さんも以前から映画作りの方も携わっていきたいとお話されていますけど、クランクアップ後でも監督にそういう話をしてみたり?
撮影の後に二人で飲みに行って、撮影中の話をしているときに、「助けてもらいました」という言葉を首藤監督から言ってもらって、いやむしろ私の方がみたいにお互い遠慮しあうような話をして。おこがましいかもですけど同年代だから、お友達みたいな関係になっていて、またいずれ一緒に映画をやることがあるんじゃないかなって思っていますね。どんな形かわからないけど、自分がプロデュースを担当してみたり。

ーーそれは口に出して首藤監督に言った?
いや、言ってないです(笑)。監督もたぶん美雪に近いところがあるというか、すごく自立していて自由でっていう自分のプランがあるから、今言ってもな・・っていうのがありました。いつか反射的に惹かれ合うときがあるだろうなって思っています。

ーーすごく首藤監督へのリスペクトが伝わってくるんですけど、そういう方と映画を作って、一緒に完成した作品を見た感想をお聞きしたいです。
学生時代を思い返すというよりは新たに今の状態で見られたというか、もし学生時代にこの小説を読んでいたら理解できない部分がたくさんあったと思うのですが、全員が愛おしく見えたので、綿矢さんは愛情を持って若者たちを見てくれているなと思って、色々な人のことを好きになりました。

ーー山田杏奈さんとはどのような感じで?
セリフなんですけどセリフじゃないみたいというか、普段通りではなくてちゃんと愛と美雪でっていうのがとても心地よくて、嘘がない感じで、やっぱり好きな女優さんだなって思いながら演じました。

ーーカメラの外ではどんな感じでしたか?
カメラの外では、(山田)杏奈ちゃんはすごく私にお姉さんみたいな感じなんですよ(笑)。だけど、時折可愛い、赤ちゃんみたいな時があって、そのギャップがかわいいなーって思っていました。単純にファンかもしれない(笑)。

ーー愛ちゃんって好きな人の好きな人を奪うっていう恋愛の考え方だったんですけど、この恋愛スタイルはどう思いますか?
なかなかすごいですよね、気持ちはわからないでもないというか、好きな人の好きな人だからきっと魅力的だろうな、どんな人なんだろうって気になり始めて、知れば知るほど沼にハマっていくというか、むしろそっちの方が気になってしまうみたいなのはわかりますね。

ーー芋生さん自身の恋愛は、好きになったらどうなっちゃうタイプですか?
好きになったら全部が愛おしくなります。なんでも好きというか、どんな姿も。嫌な所が見えても全部受け入れたい。

ーー尽くすタイプですか?
そうかもしれないですね(笑)。

ーーありがとうございました。

あらすじ
成績もよくて、明るくて目立つタイプの愛は、同じクラスの“たとえ”にずっと片思いをしている。 ひっそりとした佇まいで寡黙なタイプだけど、聡明さと、どことなく謎めいた影を持つたとえの魅力は、 愛だけが知っていた。 そう思っていたある日、彼には「秘密の恋人」がいることを知る。 それが病気がちで目立たない美雪だとわかった時、いいようのない悔しさと心が張り裂けそうな想いが彼女を動かした─。 「もう、爆発しそう─」 愛は美雪に近づいていく。誰も、想像しなかったカタチで・・・。

 

 

映画『ひらいて』
10月22日(金)全国ロードショー
配給:ショウゲート
©綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
公式サイト http://hiraite-movie.com/
Twitter https://twitter.com/hiraite_movie
Instagram https://www.instagram.com/hiraite_movie/

 

 

☆芋生悠
公式プロフィール http://sticker-inc.com/talent/haruka_imou.php
Instagram https://www.instagram.com/imouharuka/

 

 

 

 

取材 マンボウ北川
撮影・編集 記者J

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