2023.02.09 upload

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人気ライブアイドル・朝比奈めいり、ダークな悲劇のヒロインを熱演!

 

東大阪のご当地アイドル「Ellis et Campanule」で、アイドルユニット「イロハサクラ」を兼任する関西屈指の人気ライブアイドル・朝比奈めいりが初主演する映画『彼岸のふたり』が公開中だ。幼少期に親から虐待を受けその後施設で育った西園オトセ役の朝比奈めいりが社会に出て懸命に生きているところに、かつて別れた母親が登場し脆くもオトセの生活が堕ちていくという役を演じた朝比奈。そんなダークな映画がどのようにして出来上がったかというお話をインタビューできたのでご紹介する。

ーーこれは所属されている事務所で映画を作ったという形なんですか?
そうです。

ーーこの映画で主演の役をやるというのはどういうふうに決まったのか教えていただいていいですか?
事務所で作ったってなると、事務所のコが多いってなるかもしれないんですけど、結構がっつり外部の方と一緒にオーディションをしていて、なんなら主演ももしかしたら、事務所で作る映画だけど主演は他の事務所の子を使うかもって、監督さんがはじめはそう思っていたらしいんですけど、私がオーディションを受けたら合格しました。

ーーオーディションで合格した決め手は何でしょうか?
監督さんに聞いたんですけど、オーディションの中で一番暗かったらしいんですよ(苦笑)。黒光りしてたらしくて、すごく暗かったらしいです。それが決め手っておっしゃってました。

ーーそうなんですね。ご自分ではそう言われて…。
びっくりしました。普段、アイドルなので、そこまで暗い自覚がなかったんですけど。「あ、監督。 黒光りですよね?」

監督)やっぱり、アイドルもキラキラした感じじゃなくて、影がすごいあるなと思って。それで彼女に。

ーーまず拝見した時にこんな重たい映画だと思っていなかったので、アイドルが主演するにはなかなか重たいと思いました。
すごい重いですよね、、

ーーオーディションを受ける時にこういう作品だから多少暗めにしようとか、そういう意識をしたわけでもなかったんですか?
あんまり台本の内容を知らないままオーディションを受けたんですけど、オーディションでやったのが“おうちない”“お金ない”みたいな感じで家出をして来たところに話しかけられて、確か会話だったんですけど、そんなに暗くしたつもりはなかったんですよね。意識は全くしなかったですよ。

ーーでも内容的にはちょっと重たそうだなあっていう感じはしていた?
してましたね。でも暗い意識をそこまで持たずにオーディションを受けてまして、実際に暗くて通りました(苦笑)。

ーー今までの演技経験はどんな感じですか?
事務所に入ってから、13歳で今のアイドルの事務所入ったんですけど、そこで舞台のお芝居はちょっとさせて頂いたことがあって、映像も少し出るかなくらいの経験はあったんですけど、ここまで本格的な役は初めてでした。

ーーちなみにオーディションはいつ頃で、映画を撮ったのはいつ頃か教えて頂いていいですか?
オーディションが2019年、私が17歳の時。で、2020年の春に撮影が始まりました。

ーー撮影は大体関西で。
そうです。堺がいっぱいで、メインの舞台でたくさん撮りました。地獄太夫がテーマとかも堺の話です。

ーー主役に決まった時の率直な感想は?
テーマがあまりに重たかったんで、嬉しさよりも、合格の連絡もらった時は初めだけすごく喜んだんですけど、不安の方が大きすぎて、虐待とかこれまで全く自分が触れようとしてこなかったテーマだったし、暗い、重い内容で、私この仕事ちゃんとできるかなっていう不安でいっぱいでした。

ーー合格が決まった時はどんな内容の映画か分かっていた?
そうですね。聞いてたんで、イメージはわかってました。

ーー撮影に入るまでは準備とかあったりしました?
北口ユースケ監督にレッスンをして頂いて、しかもマンツーマンのレッスンもあったりして…。これまでやったことがない、舞台にちょっと出てみようみたいな時のレッスンと全然違う演技のレッスンだったんですよ。不思議なレッスンがいっぱいで、結構重い内容でその役を演じるのにレッスン内容は西園オトセちゃんが動物に例えると黒猫に似てるから、今から黒猫の演技してくださいみたいな、四つん這いになって猫の練習をしてみたり。あと数字! 映画に出てくる台本があるんですけど、その台本を言葉じゃなくて数字に変えて言ってみるっていう、「10、100、120、2番!」みたいな。「何がこれに関係あるんやろう?」みたいな不思議なレッスンをとにかくいっぱいして頂いたんですけど、全部がちゃんと撮影の時本当に役に立って、すごかったんです! 初め台本頂いた時に読んでてオトセちゃんの行動の意味がわかんないとかあったんです。「なんでここ言い返さないの?」とか「なんでお金渡しちゃうの?」とか、わからないっていうところがいっぱいだったんですけど、レッスンを重ねていくごとにオトセちゃんの行動に疑問を持つことが少なくなって、レッスンを頑張ったおかげで撮影期間中はオトセちゃんの行動の意味わからないとか、全くそういうこともなくて、自然と演技ができました。準備のおかげでしたね。

ーーさすが北口監督ね。
そうですね。

ーー黒猫の真似はどんなところに活きていた?
こそこそ行動するみたいな感じだったんですよ。で、敵役みたいな感じで、丁度その時に一緒にホテルのマネージャー(オオウエクニヒロ)さんが、センターでピシッて分けて出てきて二人でレッスンを受けていたんですけど、その役のマネージャーさんが動物に例えたらタヌキっぽいんで「縄張り争いしてみよう」みたいな感じで、二人で威嚇しあったりしたんですけど、その時のビクビクする感じはオトセちゃんが対面で会話したりするときに、自分を守りながらビクビクしてしまう自分の行動に繋がったなって思ってるんです。いろんなところに役に立ったなって思ってます。

ーーそういう事前に北口監督のレッスンを受けて撮影本番に臨んだと。撮影で特に印象に残ってることとか、こんなこと頑張ったとか、そういうのがあれば教えてください。
ライブのシーンです。ライブを見に行くシーンがあって、涙を流すんですけど、見てるアイドルグループの中にも自分が普段所属している“イロハサクラ”っていうアイドルグループが出てたんですけど、私が普段そこに所属している見慣れたメンバーで知ってる楽曲で振り付けで、何回も見てる振り付けだし、わーって盛り上がっているお客さんも、いつものお客さんで、エキストラで何人かいつもの方も何人かいたりして、私、これちゃんとオトセちゃんとしてステージを見て泣いたりできるんかなってすごい不安だったんです。でも、いざライブ会場に立ってみたら、時間はかかってしまったんですけどしっかりとできました。あのシーン実際にずっと踊り続けてもらったんですよ。タングルヘアーっていう三人組に。しっかりそれを見ながら、気づけばちゃんと涙も出てて、「自分でやり切ったなー」って思って、印象に凄い残ってます。あと、お母さん(並木愛枝)に包丁向けるシーンとかもあったんですけど、自分的に一番緊張してたシーンだったんで、怖いなーって思ってました。

ーーなるほど。実際に自然に流れた涙。
そうですね。時間がかかってしまったんですけど、自然に。涙が止まらなくなっちゃって、カットかかってから泣き崩れちゃって立てなくなっちゃって、支えて頂いて楽屋に帰りました。泣きすぎました。

ーーそこまでは映画では入ってないんですね。
カットがかかってからですね。声を出して「わーん」って泣きました。

ーー何かを思い浮かべて泣く方が多いですが、観てたら自然に泣けちゃったんですか?
流れがちょうどお母さんが暴れてしまって、明日からおうちにも住めなくなっただろうし、働けなくなっちゃったし、もうこの世の終わりくらいの状態で見に行ったライブだったんで、明日からもうどうしたらいいんだろうという状態で来たライブだなと思って、タングルヘアーのライブを見てたら泣けました。

ーー完全に役になりきってるということでよろしいわけですね。なるほど。頑張ったというか、素晴らしいです。あとは共演者の方で特に印象が残ってる方は?
共演者さんで印象に残ってる、ソウジュンさん(ドヰタイジ)が一番役としても不思議な役じゃないですかね。イマジナリーフレンドだから実在しないんですよ。あれもオトセにしか見えないじゃないですか。なんで自分の中で、誰かにそう言われたわけじゃないんですけど、自問自答してるところなんじゃないかなって自分は解釈してて、ある意味、自分の本質的なものと言い合いしたりしてるんだって思いながら演技してて、一番不思議だったんで印象に残ってます。ソウジュンさんこそすごい黒光りしてるイメージがあるんですけど(笑)。

ーー今回の映画の見どころをご自身の言葉でお願いします。
虐待っていうテーマがあるじゃないですか? 普段、アイドルとしてお仕事をしていると、アイドルって華やかなイメージじゃないですか、虐待っていうなかなかダークな重たいテーマから目を背けがちだなっていうイメージを自分自身持ってて、普段目を背けている分めちゃくちゃすごい挑戦だったんですよ。だからいつも応援してくださっている方にも、えっ、朝比奈めいりってこんなことできるんだって驚いてもらえると思います。で、この映画、私はスクリーンで見たんですけど、すごく湿度を感じる映画だなって感想があって、近い距離で撮ったり、色味も、あと呼吸。音楽がないところが多くてセリフに混じる呼吸とかもすごい聞こえやすいんですよ。なのですごい近い距離で湿度を感じる映画だなって観たときに思ったので、その距離感でこの虐待っていうテーマでいろんな人物のことを描いている映画なので、いろんな人に楽しんでもらえると思います。是非たくさんの人に観て頂きたいです。

ーーご自身の見どころは?
自分的にはすごい挑戦した部分を見て頂きたいです。

ーー分かりました。これから演技の仕事とかこれを経験したことで考えてることがありますか?
演技の仕事、初めてしっかりとやったんで、すごく楽しかったんです。これからたくさん演技のお仕事もやっていきたいなと思います。アイドルができる時間は短いじゃないですか…やっぱり。短い気がするんですよ。私「アイドルが終わったら芸能生活全部終わる」って思ってアイドルを始めたんで、アイドルしか考えてなかったんです。でも、新しい道もあるんだなってすごい思ったので、演技のお仕事も頑張りたいなって思います。

ーー期待しています。今後どんな役がやりたいとかありますか?
“黒光り”って言われたんで(笑)、いろんな環境のいろんな“黒い子”を演じたいと思います。色んなパターンの…そうですね、私自身楽しい明るい役を舞台でちょっとやってみたりしたときも、ちょっと難しかったんですよ。この映画が苦じゃなかったんで、暗い役が好きなのかもしれないです。

ーーじゃ、ちょっとそっちの方向を極めていきたいかなみたいな、ありますか?
そうですね、極めたいですね。

ーーアイドル活動も含めて特に何かお知らせはありますか?
とにかく週末はほぼほぼライブしてるので、ぜひ映画を見て気になった方は“イロハサクラ”も映画に出ているのでチェックしてもらえたら嬉しいなあと思います。

ーー基本的には関西をベースに活動している?
あそうですね。たまに遠征させていただいて、東京とか名古屋とか広島とか行くんですけど、基本は関西にいます。

ーーありがとうございました。

 

 

 

あらすじ
生きていくしかないねん わたしも、あなたも。
児童養護施設を巣立ち、ホテルの清掃係として働き始めた西園オトセ(朝比奈めいり)。新生活の不安を抱えながらも懸命に自立の道を模索しようとするが、幼少の頃に受けた虐待のトラウマが、幻影・ソウジュン(ドヰタイジ)として常につきまとう。そんなオトセの前に、14年間音信不通だった母、陽子(並木愛枝)が突然現れる。金銭目的だと分かっていながらも、母との再会の喜びに抗えないオトセ。相反する感情に葛藤する中、陽子が勤め先のホテルで騒動を起こし、意図せず指導係の清掃員の女性を傷つけて
しまったオトセは仕事をクビになり住むところも失ってしまう。一方、女手ひとつで育ててくれた母が営む定食屋を手伝いながら地下アイドルとして活動する広川夢(寺浦麻貴)は、望まぬ子を身籠ったことに気付くが、お腹の子の父親であるマネージャーに伝えられないまま、ステージに立つ。二組の母子の人生は交錯し、夢のラストステージに勇気づけられたオトセはやがて過去の自分と対峙すべく母が暮らす生家へと向かうのだった―。

朝比奈めいり 並木愛枝 ドヰタイジ
寺浦麻貴 井之上チャル 平田理 眞砂享子 エレン・フローレンス 永瀬かこ
星加莉佐 徳綱ゆうな 清水胡桃 吉田龍一 おおうえくにひろ
監督・脚本・編集:北口ユースケ 脚本:前田有貴 企画・制作:株式会社SAKURA entertainment、TSUKUBA INDY
制作プロダクション:株式会社イチビリピクス 製作総指揮:福本裕介 プロデューサー:桜あかり、アレックス・イスコウネン
音楽監督:饗場公三 主題歌:イロハサクラ「地獄太夫」 配給:新日本映画社
2022年|日本・アメリカ|カラー|シネスコ|ステレオ|90分 ©2022「彼岸のふたり」製作委員会
公式サイト http://higannofutari.com/
Twitter
 https://twitter.com/higannofutari

 

☆朝比奈めいり | Meiri Asahina
2002 年 2 月 6 日生まれ。大阪府出身。
SAKURA entertainment所属。イロハサクラ/Ellis et Campanuleの2つのアイドルグループを兼任しながら、女優活動も行う。2019年3月20日公開の映画『手のひらに込めて』の主題歌「雨降草」 でメジャーデビュー 。2019年6月「幽霊アイドル」でバズる。主な出演作に『あおざくら』(短編/18)、『手のひらに込めて』(19)。

イロハサクラ公式サイト http://irohasakura.com/
Ellis et Campanule公式サイト http://elli-cam.com/
Twitter https://twitter.com/meiri_asahina
Instagram https://www.instagram.com/meiri_asahina/

 

 

 

 

インタビュー マンボウ北川
撮影・文 記者J

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記者J

地球上すべての美しい女性を求め東奔西走。今で言う推し活をむかーしから実践していた漢

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